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疾患診断からリアルタイム病態診断へ[特集:医療の近未来予想図]

No.4958 (2019年05月04日発行) P.64

山本一彦 (理化学研究所生命医科学研究センター副センター長)

登録日: 2019-05-05

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  • 近未来の医学を考えるとき、人工知能(AI)への期待は大きいものがあります。特に、臨床医学の現場では、「まず正確な診断、それに則った的確な治療」という考え方が中心でした。正確に診断することで、病因、病態、予後と治療法をできる限り的確に把握することは合理的な考え方であり、今後とも医学の中心的方法論としてあり続けると考えられます。そして多くの疾患では、正確な診断に至る過程として診断基準が多用されています。これらを今後、的確に開発し適用するには、AIが非常に有効な方法論になると期待します。しかし、この方向だけでは解決できない問題もあります。

    私の専門のリウマチ・膠原病の中で、関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)を例にとります。RAは、ここ20年くらいで最も劇的に治療法が進展した疾患の一つと言われています。RAでは、関節の滑膜で原因不明の慢性の炎症が持続し、多くの炎症性サイトカインが産生されます。その結果、蛋白分解酵素の産生や破骨細胞の分化により、軟骨や骨が破壊され関節の変形が進みます。さらに一部の患者では、肺線維症、血管炎などの全身症状が引き起こされます。このような病態を持つ患者群をいかに正確に診断するかに関し、過去数回にわたり分類基準という名で基準が改訂されました。そして、その時代の基準を使い正確に診断する点が、臨床医の腕の見せどころでした。

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