平成から令和へと代替わりする今、昭和の後半から平成全体を医師として関わってきた立場としては、最近の医療技術の革新は予想もしていなかったことばかりである。しかし、この間の医療機器の進歩や病院運営の手本は常に他の企業が日進月歩で取り組んできた進化・発展にヒントがあったように思う。インターネットに代表される情報伝達のスピード化と共有性、コンピューターと共通のオペレーティングシステム(OS)を用いた医療機器管理と情報処理の統一、映像のデジタル化からフルハイビジョン(2D)までの進化はとどまることなく、テレビ画面の大型化なども身近に知るところである。
心臓血管外科領域で現在進行中なのがロボット支援手術の発展・進化と4K/8K、さらに3D処理と進む高度な画像情報をどのように活用するかといったことであろう。また近いうちにはこの高度で正確な情報をAIコンピューターへ入力することで手術自体の自動化が開始されていくことは疑いのないところである。問題はどこまで自動化された手術が入り込み、その時に外科医が何を行い、外科医教育としてどういった準備をしておくかということで、専門技術者との実用化が議論されていくだろう。
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