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■NEWS 勤務間インターバルは「9時間」確保、連続勤務は「28時間」に制限―働き方検討会で厚労省提案

No.4940 (2018年12月29日発行) P.20

登録日: 2018-12-18

最終更新日: 2018-12-18

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厚生労働省は17日の「医師の働き方改革に関する検討会」で、20244月に医師の時間外労働規制が導入された後の働き方のイメージを示した。通常の日勤後に確保すべき勤務間インターバルを「9時間」、当直明けの場合は2倍の「18時間」とし、併せて導入する連続勤務時間制限は「28時間」とした。時間外労働が月100時間を超える場合は医師による面接を実施して個々人の健康状態を確認し、必要に応じて就業上の措置を講じるとした。

厚労省はこの案を軸に年内にも一定の方向性を取りまとめたい考え。しかし、17日の検討会では、大学病院や病院団体の委員が勤務間インターバルの必要性は認めつつも「義務化されると現場が回らなくなる」と懸念を表明。労働組合の委員は「過労死認定基準を超えた水準になる」と反発した。19日の会合で再度議論される。

厚労省案は、医師の上限時間数について、一般則(月45時間、年間360時間以内)を超える水準とすることを視野に設定し、追加的健康確保措置を努力義務として求めるもの。▶医師不足地域などで診療に従事する医師、▶集中的に技能向上のための診療を必要とする若手医師―などについては、対象医療機関を特定した上で別の規制を設け、追加的健康確保措置を義務づける。

今回提案された連続勤務制限と勤務間インターバルは、勤務日において16時間程度の睡眠が確保できることを前提に置いたもの。連続勤務の「28時間」制限案は、米国卒後医学教育認定協議会(ACGME)の例を参考にしている。実際の医療現場の勤務実態上、勤務間インターバルの導入には「かなりの改革が必要」との認識を明示し、タスク・シフティングを強力に進めるべきとした。

追加的健康確保措置の案を示した厚労省医政局。時間外労働規制を巡っては19日の会合でも議論される

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