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■NEWS 2019年から3年間、39~56歳男性が風疹の定期接種に

No.4940 (2018年12月29日発行) P.18

登録日: 2018-12-14

最終更新日: 2018-12-14

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厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会と感染症部会の合同会議は13日、3956歳の男性を3年間、風疹の定期接種の対象とする厚労省案を了承した。厚労省は関係政令を改正後、今年度中にも定期接種とする。定期接種の案は、根本匠厚労相が11日に明らかにしており、13日の合同部会で厚労省は定期接種化を盛り込んだ「風疹に関する追加的対策骨子」を提示した。

療機関で抗体検査と予防接種が受けやすい体制を整備

今回の対策の対象者は、これまで予防接種法に基づく風疹の定期接種を受ける機会がなく、抗体保有率が約80%と他の世代に比べて低い、1962 42日から 197941日までの間に生まれた男性の約1610万人。市町村が予防接種法に基づき風疹の定期接種を行う。

ワクチンはMRワクチンを基本とし、1回接種とする。ワクチンを効率的に活用するため市町村は、対象者に抗体検査を実施し、結果が陰性だった者に対して定期接種を行う。国は、補正予算の編成等により、地方自治体が行う抗体検査事業に対する補助を拡充する。

対象者の利便性向上のため、市町村の特定健診や事業所の健診の機会を活用して抗体検査を実施。また、休日・夜間の実施など医療機関で抗体検査と予防接種が受けやすい体制を整備する。

事務手続のガイドラインを作成し、準備が整った自治体から開始

対策の実施期間は、2019 年から21 年度末までの約3年間。厚労省は、自治体ごとに準備の状況が異なるため、「全国一斉に始めるのは非現実的」と判断。年度内にも準備が整った自治体から開始することとする。

円滑な実施に向けて国は、事務手続等に関するガイドラインを作成し、地方自治体、医療機関等に対して丁寧に説明することや、製造販売業者、卸売販売業者、検査会社等と連携し、ワクチンの安定供給と抗体検査の安定実施に努めることも盛り込まれた。

■東京五輪開催の20207月までに流行拡大を終息

厚労省は、東京五輪・パラリンピックの開催で輸入感染症例の増加や感染伝播が懸念されることを踏まえ、この対策により、開催時期の2020 7月までに対象者世代の抗体保有率を 85%以上(国全体の抗体保有率約93%)に引上げて、風疹の感染拡大を終息させ、さらに、21 年度末までに対象者世代の抗体保有率を90%以上(国全体の抗体保有率約94%)にすることを目指す。

風疹に関する追加的対策骨子を提示した厚労省幹部

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