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(2)抗インフルエンザ薬の種類と特徴,使いわけと安全性[特集:最新 抗インフルエンザ薬の作用機序と使いわけ]

No.4934 (2018年11月17日発行) P.33

石田 直 (大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科主任部長)

登録日: 2018-11-19

最終更新日: 2018-11-14

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現在,わが国では4種類のノイラミニダーゼ阻害薬と1種類のキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬が使用可能である。ほかに,1種類のRNAポリメラーゼ阻害薬が認可されている

ノイラミニダーゼ阻害薬は,発症早期に使用することの有効性が報告されるようになってきた

新薬であるバロキサビル マルボキシルは,臨床試験において,オセルタミビルと同等の臨床効果を示し,より早いウイルス力価の低下がみられる

抗インフルエンザ薬は,重症度,肺炎合併の有無,入院または外来治療の違いにより,使いわけを行う

バロキサビル マルボキシルは,ウイルスのアミノ酸変異を起こすことが知られており,今後の検討が必要である

1. 抗インフルエンザ薬の種類

現在,わが国では4種類のノイラミニダーゼ阻害薬に加え,1種類のキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬が使用できる。ほかに,1種類のRNAポリメラーゼ阻害薬が認可されている。

1 ノイラミニダーゼ阻害薬:オセルタミビル,ザナミビル,ラニナミビル,ペラミビル

ウイルス表面のノイラミニダーゼを阻害することにより,インフルエンザウイルス表面にあるヘマグルチニンと宿主細胞表面のシアル酸の結合を維持することで感染細胞からのウイルスの遊離を妨げる。

オセルタミビル(タミフル®)は経口薬,ザナミビル(リレンザ®)とラニナミビル(イナビル®)は吸入薬,ペラミビル(ラピアクタ®)は静注薬である。オセルタミビル,ザナミビル,ラニナミビルは予防投与にも使用される。

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