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診療で必ず役立つビタミンの知識─ビタミン製剤の上手な使い方【電子版付】

ありそうでなかった、診療でビタミンについて疑問が生じたときに役立つ1冊!

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著: 安田聖栄(四谷メディカルキューブ理事長、東海大学客員教授)
判型: A5判
頁数: 184頁
装丁: 2色刷
発行日: 2021年12月28日
ISBN: 978-4-7849-5831-3
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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ありそうでなかった、診療でビタミンについて疑問が生じた時に役立つ1冊!

  • ビタミンの血液検査をしたいと思ったとき
  • 大球性貧血のビタミン製剤は葉酸とB12のどちらを処方すべきか疑問が生じたとき
  • 手足のしびれがあるがビタミン不足が関係していないか疑問に思ったとき
  • 口角炎、末梢神経障害でのビタミン製剤選択に迷ったとき
  • 患者さんから「疲労の原因はビタミン不足ではないか」と問われたとき
  • 患者さんから「サプリメントを飲んだほうがよいか」と問われたとき
  • 患者さんからビタミン補充に役立つ食品を尋ねられたとき


目次

Ⅰ章 ビタミン総論

Ⅱ章 ビタミン各論
01.B1〔チアミン〕
02
B2〔リボフラビン〕
03
B3〔ナイアシン〕
04
B5〔パントテン酸〕
05
B6
06
B7〔ビオチン〕
07
B9〔葉酸〕
08
B12〔コバラミン〕
09
C〔アスコルビン酸〕
10
A
11
D
12
E
13
K

Ⅲ章 臨床
01.日常診療でのビタミン不足への対応
02
.ビタミン製剤の利用

Ⅳ章 ビタミン製剤
01.ビタミン製剤の適応
02
.ビタミンB製剤
03
B群配合製剤
04
B群,C配合製剤
05
.ビタミンC製剤
06
.ビタミンA製剤
07
.ビタミンD製剤
08
.ビタミンE製剤
09
.ビタミンK製剤
10
.総合ビタミン剤
11
.高カロリー輸液での総合ビタミン剤

Ⅴ章 関連事項
01.ビタミンと皮膚の健康
02
.ビタミンと骨の健康
03
.カルシウム(Ca)の摂取
04
.サプリメント(健康補助食品)
05
.保健機能食品
06
.活性酸素種と抗酸化物質
07
.野菜,果物
08
.炭水化物
09
.食品の塩分
10
.特定のビタミンが豊富な食品
11
.ユビキタスなB群ビタミン
12
.ビタミンの血液検査
13
.ビタミン発見の歴史

Ⅵ章 Q&A
Q1 ビタミンが不足することはあるか?
Q2
 ビタミンが不足すると何が困るか?
Q3
 ビタミンが足りているかはどうすればわかるか?
Q4
 ビタミンが不足しない食習慣は?
Q5
 ビタミン不足で手足のしびれが生じるか?
Q6
 ビタミン不足で口角炎が生じるか?
Q7
 ビタミン不足で疲労が生じるか?
Q8
 特に多く摂るとよいビタミンはあるか?
Q9
 妊娠,出産にあたり需要が増えるビタミンは何か?
Q10
 野菜・果物ジュースはビタミン補充で勧められるか?
Q11
 ビタミンのサプリメントは勧められるか?
Q12
 疲労回復で“ニンニク注射”は勧められるか?
Q13
 高濃度ビタミンC点滴療法は勧められるか?

付録 ビタミンの食事摂取基準

索引


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序文

生体にビタミンは必須です。ビタミン発見の歴史を振り返ると,脚気(かっけ),ペラグラ,壊血病など,当時原因不明の欠乏症で,数多くの犠牲者があったことがわかります。1900年代に入り,ビタミンが次々と発見され,化学合成され,サプリメントまで製造されるようになりました。ビタミン発見の歴史は,病気を克服してきた人類史の一面でもあります。現在このようなビタミン不足の終末像(古典的欠乏症)はほとんどみられません。ごく少量のビタミンで予防できることがわかっています。問題となるのは,慢性的な不足が生体に及ぼす影響です。

短期間のビタミン不足で身体に不調が生じることはありませんが,慢性的な不足は皮膚,骨,神経,赤血球の成熟,加齢変化,生活習慣病(糖尿病,心血管障害,動脈硬化など)に影響を及ぼすことがわかっています。ビタミンC(アスコルビン酸),A,Eは加齢と紫外線による皮膚変化を緩和し,ビタミンDとKは骨強度の維持で,葉酸(B9)とB12(コバラミン)は造血で,B群ビタミン〔B1(チアミン),B6(ピリドキシン),B12〕は神経機能の維持で重要です。そして特に重要なのは,抗酸化ビタミン(特にC,E,β-カロテン)が,加齢変化と生活習慣病の進展を緩和することです。生活習慣病患者の血液検査において,ビタミン不足の頻度は葉酸で10%,B12で5%,Cで7~17%,Dは日光にあたる機会が少ないと32%であったとの報告もあります。

診療において栄養は軽視できません。問題は,他の栄養素に比べてビタミンがわかりにくいことです。B群ビタミンはすべて補酵素として代謝に関わっていますが,酵素反応は難解で,不足による代謝変化と生体への影響は十分にわかっていません。ビタミンB群(B1~B12)の区別と,それらの臨床的価値もわかりにくいものです。食品中のビタミン量の多様性も,理解されにくい原因のひとつでしょう。医師が栄養士必携の「日本食品標準成分表」を参照することはあまりないと思いますが,ビタミンは医学,化学,栄養学の領域にまたがった大切なものなのです。

わかりにくいことは,優れた参考書で勉強するのが一番です。しかし,探した限りで,希望にかなう書籍にめぐり会いませんでした。このことが本書を執筆する強い動機になりました。臨床家は多忙で,ビタミンの勉強に多くの時間を割くことはできないでしょう。また,ビタミンについて十分学ぶ機会もなかったと思います。一方で,手軽なweb情報では学術的に正確な知識を幅広く得ることはできません。本書はビタミン全般についての確かな知識を整理したものです。日常診療で疑問が生じた折に,関連する頁を参照して頂くという使い方でよいでしょう。皆さんにとってビタミンがわかりやすいものとなり,ビタミン製剤使用の際などにも役立てばと思います。

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