株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 残業の理由、勤務医の6割が「書類作成」「緊急対応」―過労死等防止対策白書

No.4933 (2018年11月10日発行) P.18

登録日: 2018-10-31

最終更新日: 2018-10-31

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

政府は30日、2018年版の「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。白書では、病院勤務医の労働実態調査の結果を提示。時間外労働が生じる理由として、勤務医の約6割が「書類作成」と「緊急対応」を挙げ、5~6割が医師と医療クラークの増員が必要だと回答した。

調査は、厚生労働省が2017年に全国の4000病院と、調査対象病院に勤務する医師2万255人、看護職員2万266人を対象にアンケートを送付。1078病院、医師3697人、看護職員5692人から有効回答を得た。

時間外労働が発生する理由(複数回答)を勤務医に尋ねたところ、「診断書やカルテ等の書類作成」が57.1%で最も多く、次いで「救急や入院患者の緊急対応」(57.0%)、「患者(家族)への説明対応」(51.8%)、「手術や外来の診療時間の延長」(47.5%)、「院内の研修会・勉強会への出席」(38.7%)などと続く。過重労働防止に向けて必要だと感じる取り組みについては、「医師の増員」(57.6%)、「当直・夜勤明けの休みの確保」(52.0%)、「医療クラークの増員」(49.0%)を挙げる勤務医が多かった。

病院に対する調査で、時間外労働が月80時間超の勤務医が「0人」とした割合は37.2%で、「1人以上5人未満」は11.4%、5人以上は計9.0%となっており、無回答も39.0%に上った。院内労働時間の把握方法では、「出勤簿への押印」が最多(38.6%)を占め、「タイムカード等の客観的な記録」で確認している割合は32.8%だった。

医師の労災事案については、脳・心臓疾患17件、精神障害8件が認定された。脳・心臓疾患の発症要因の大半は、診療業務と管理業務に絡む長時間労働だった。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top