株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)[ガイドライン ココだけおさえる]

No.4932 (2018年11月03日発行) P.46

筒井裕之 (九州大学大学院医学研究院循環器内科学教授)

登録日: 2018-11-02

最終更新日: 2018-10-30

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 主な改訂ポイント〜どこが変わったか

    1 一般向けにわかりやすく心不全を定義

    2 心不全の経過とその発症・進展における予防の重要性を強調

    3 心不全診断アルゴリズムを明確化

    4 心不全治療アルゴリズムはHFrEFとHFpEFに分類し提示

    1 総論:2010-2011から2017へ

    「慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)」と「急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)」が一本化され,日本循環器学会と日本心不全学会の合同で「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」1)として改訂された。主な改訂点は,①心不全の定義,②心不全とそのリスクの進展ステージと治療目標,③左室駆出率による分類,④心不全診断アルゴリズム,⑤心不全進展ステージをふまえた心不全予防,⑥心不全治療アルゴリズム,⑦併存症の病態と治療,⑧急性心不全治療フローチャート,⑨重症心不全における補助人工心臓治療アルゴリズム,⑩緩和ケア,などである。

    2 心不全の定義

    ◯なぜ変わったか

    心不全に対する一般市民の認知度は上がっているものの,その病態が正しく認識されているとは言えないという現状をふまえ,一般向けの定義を,その経過も含めて表現した。

    ◯実臨床での対応
    「心不全」を「何らかの心臓機能障害,すなわち,心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果,呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し,それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」と定義した。一般向けには「心不全とは,心臓が悪いために,息切れやむくみが起こり,だんだん悪くなり,生命を縮める病気です」と表現した。

    残り2,787文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
    2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top