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小児痙縮に対するボツリヌス毒素療法

No.4930 (2018年10月20日発行) P.55

青木朝子 (青木内科・リハビリテーション科副院長)

里宇明元 (慶應義塾大学リハビリテーション医学教授)

登録日: 2018-10-23

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【チーム医療による痙縮の評価がADL,QOLを高める】

小児痙縮に対する治療は経口抗痙縮薬や選択的後根切除術など多様であるが,ボツリヌス毒素療法(BTX)は比較的侵襲が少ないこともあり徐々に拡大しつつある。当初は痙性斜頸と下肢痙縮に伴う尖足のみの適応であったが,2010年には上肢痙縮・下肢痙縮全般に拡大された。06年以降,エビデンスレベルの高い研究が行われ,13年の『脳性麻痺リハビリテーションガイドライン』でもBTXはグレードAで推奨されている。

BTXにより,筋緊張の低下や姿勢の改善だけでなく,骨関節の変形予防,疼痛の軽減,介護量の軽減など様々な効果が期待されるため,以前に比べ比較的早期(低年齢時)に積極的に行われることが増えてきている。しかし,施注筋の選択や量の違いなど施設によりその方法は統一されていない。

重度障害児の場合,ある部位の筋緊張の変化が他部位の筋緊張の変化をもたらすこともあり,施注筋の選択と施注量の決定は児の機能,ADL,QOLの向上,介護負担の軽減を図る上で重要である。

そのため,診察場面だけでなく,家庭生活や療育場面での様子,リハビリテーション訓練場面での様子などの情報を多面的に収集し,訓練スタッフ,看護師や関連診療科を交えた合同カンファレンスで十分な検討を行った上で施注することが推奨される。

【参考】

▶ 中寺尚志:脳性麻痺リハビリテーションガイドライン. 第2版. 日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会, 他, 編. 金原出版, 2014, p161-6.

▶ 根津敦夫, 他:脳と発達. 2009;41(2):130-1.

【解説】

青木朝子*1,里宇明元*2  *1青木内科・リハビリテーション科副院長  *2慶應義塾大学リハビリテーション医学教授

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