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小児の救急蘇生法と急性期呼吸管理における非侵襲的人工呼吸法【アルゴリズムを成人と共有する傾向が進み,非侵襲的人工呼吸法が積極的に用いられる】

No.4917 (2018年07月21日発行) P.58

谷川攻一 (福島県立医科大学ふくしま国際医療科学 センターセンター長)

清水直樹 (東京都立小児総合医療センター集中治療科医長)

登録日: 2018-07-24

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  • ①小児の救急蘇生法についての最新情報と,②小児の急性期呼吸管理における非侵襲的人工呼吸法について,最近の進歩と現在の一般的管理法をお教え下さい。
    東京都立小児総合医療センター・清水直樹先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    谷川攻一 福島県立医科大学ふくしま国際医療科学 センターセンター長


    【回答】

    (1)小児の救急蘇生法についての最新情報

    「JRC蘇生ガイドライン2015」においては,各種アルゴリズムを成人と共有する傾向がさらに進みました。一方で,乳児に対する1次救命処置(basic life support:BLS)における人工呼吸の重要性が逆に浮き彫りになり,乳児に接する機会が多い市民(両親や保育士など)への心肺蘇生法(cardiopulmonary resuscitation:CPR)の啓発のありかた(CAB+CCCPRの中でも人工呼吸の重視)の再考が求められました。抗不整脈薬については,リドカインに関する小児対象の無作為化比較試験(randomized controlled trial:RCT)が引用され,アミオダロンと同列に扱われるようになりました。体温管理療法に関するエビデンスも追加され,心拍再開後の集中治療に関するチェックリストも作成されました。蘇生に関する輸液については,N Engl J MedのFEAST studyの解釈に揺れました。

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