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神経芽腫

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-29
松本公一 (国立成育医療研究センター小児がんセンターセンター長)
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  • ■疾患メモ

    神経芽腫(neuroblastoma)は,かつて小児癌マススクリーニングが行われていた小児癌の代表的疾患であり,副腎や後腹膜,後縦隔に発生する。日本では1年間におよそ150~200人の発症があるとされている。

    一般的に,1歳半未満に発症するタイプは予後良好であることが多く,1歳半以降に発症する例は進行例であり,かつ予後不良であることが多い。

    高リスク神経芽腫の治療成績は,化学療法,手術療法,放射線療法,免疫療法などの集学的治療を駆使しても,依然として30~50%の生存率である。

    MYCN遺伝子増幅の有無が予後に関連している。1歳半未満の発症例でも,MYCN遺伝子増幅例の予後は増幅していない症例と比較して不良である。しかし,高リスク神経芽腫の場合,現状の治療ではMYCN遺伝子の予後に対する影響は少ないとされている。

    その他の生物学的なリスク因子としては,11番染色体長腕のヘテロ接合性の喪失(11qLOH)や倍数性(ploidy)がある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    初発症状は腹部腫瘤や肝腫大であることが多い。リンパ節腫脹を認めることも多い。

    縦隔や後腹膜の交感神経節発症の場合,ダンベル型腫瘍となることがあり,腫瘍による脊髄圧迫のため歩行障害,下肢麻痺などの症状を認めることもある1)

    Stage Mでは,骨転移に伴う骨痛,歩行障害や眼球突出,頭部腫瘤などを認める。眼窩骨への転移と出血により,raccoon eyesという特異的な顔貌を呈することがある。

    頸部の交感神経節原発の場合,ホルネル症候群(縮瞳,眼瞼下垂,同側顔面の発汗低下など)を認めることがある。

    特異的な症状として,オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(opsoclonus-myoclonus syndrome:OMS)を合併することがある。

    【検査所見】

    検査上,血清NSE,LDH,フェリチンの上昇,尿中VMA/Cr,HVA/Crの上昇を認める。

    Stage M症例の場合,骨髄転移に伴い汎血球減少をきたすことがある。

    画像検査では,131I-MIBGによるシンチグラフィーでの原発巣,転移巣への集積を認める。骨転移例では,骨シンチでの集積を認める。

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