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横紋筋肉腫

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-29
滝田順子 (東京大学大学院医学系研究科小児科准教授)
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  • ■疾患メモ

    横紋筋肉腫(rhabdomyosarcoma)は,小児の軟部腫瘍の中で最も頻度が高い。発生頻度は,米国で年間100万人あたり4.4人,わが国では年間約90例と推定されている。

    本症は骨格筋に分化する未熟な未分化間葉系細胞由来の腫瘍で,体のあらゆる部位から発生する。

    集学的治療の進歩により治療成績は向上し,現在では全体として70%の治癒率となっている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    急速に増大する腫瘤が,周囲の正常組織を圧迫または閉塞することによって現れる症状が最も多い。腫瘍が発生する部位によって症状は異なる。

    発生する部位として最も頻度が高い頭頸部(鼻咽頭,鼻腔,副鼻腔,中耳などの傍髄膜,眼窩)では,神経や脳の圧迫症状による視覚異常,聴覚異常,眼球運動異常,嚥下困難,意識障害などが認められる。

    頭頸部についで頻度が高い泌尿器系(膀胱,前立腺,傍精巣,子宮,腟など)から発生する腫瘍では,腹部膨満,血尿,腹痛などを呈する。四肢などに生じて,周囲の神経や血管を巻き込まない場合,無痛性の腫瘤として気づかれることもある。

    【検査所見】

    横紋筋肉腫が疑われた場合,血液一般検査,生化学検査,尿検査,画像検査(CT,MRI,PET-CT,骨シンチグラフィーなど),骨髄検査を行う。

    原発部位が傍髄膜である場合には,髄液検査も考慮する。

    鑑別のために神経芽腫の腫瘍マーカーである尿中VMA,HVA,血清NSEおよび肝腫瘍や胚細胞腫の腫瘍マーカーであるAFPの測定も必要に応じて行う。

    確定診断には,生検による病理診断が必要である。小児横紋筋肉腫の組織分類には国際分類(International Classification of Rhabdomyosarcoma:ICR)が用いられるが,この分類により,胎児型と胞巣型に大別される。胎児型はさらにブドウ状型,紡錘細胞型,NOS(not otherwise specified)に分類される。ICR分類は予後予測も可能な分類であるが,胎児型のうちのブドウ状型,紡錘細胞型は予後良好,NOS型は中間群,胞巣型は予後不良群とされている。また,胞巣型の約80%にはPAX37-FOXO1融合遺伝子が検出されるが,PAX3-FOXO1陽性例は予後不良とされている。したがって,RT-PCR法による融合遺伝子の検出は予後予測を行う上でも重要である。

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