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骨髄炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-21
岩田健太郎 (神戸大学大学院医学系研究科微生物感染症学講座感染治療学分野教授)
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  • ■疾患メモ

    骨髄炎は骨の感染症である。糖尿病足疾患患者に代表される末梢血管障害を原因とする場合,椎体炎のように血流感染が起きている場合,整形外科術後の合併症など,その病因・病態は多様である。

    治療は長期にわたり,外科的デブリドマンと薬理学,感染症学の理論・原則に則った抗菌薬治療が必要になる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    発熱と疼痛が特徴である。

    糖尿病足疾患など軟部組織感染症を合併している場合,病変以外の部位を叩打することで介達痛が誘発されると(軟部組織ではなく)骨の病変を疑うというクリニカル・パールがあるが,どこまで妥当性があるかは不明である。

    【検査所見】

    炎症所見が認められ,CRPと赤沈は高い。特に赤沈70 mm/時以上は陽性尤度比が高い1)。しかし,非特異的なために他の炎症性疾患との鑑別とはならない。

    確定診断は骨生検と培養であり,特に椎体炎などではCTガイド下でこれを行うことが望ましいケースは多い(結核除外も必要なため)。ただし,侵襲性はあるので患者の状態を見極めながら行う。

    血液培養:骨髄炎は血流感染の"結果"にも"原因"にもなるため,抗菌薬投与前の2セットの血液培養は必須である。1セットではコンタミネーション(汚染)を除外しづらく,感度も低い。特に骨生検,培養が不可能な場合は抗菌薬選択上非常に重要である。複数セットの血液培養も保険適用がある。

    創部の培養:清潔部位でない,たとえば皮膚や潰瘍表面のスワブ培養は原因菌と相関しないため,ノイズになるだけなので行わない2)

    〈画像所見〉

    画像では造影MRIが最も感度が高く,また経験値も豊富なため推奨される。CTはMRIが不可能な場合の代替案となる。X線写真は特異度こそ高いが感度に乏しいため,診断方法としてはやや弱い。

    海外では3-phase bone scanが行われることもあるが,日本では一般的ではなく,ガリウムスキャンなど他の核医学的検査も検証不十分である。

    PET-CTは感度が高いため,MRI偽陰性を疑った場合は有用な場合がある3)4)。ただし,高額で保険適用もないため,骨髄炎に対する使用は限定的となる。

    また,腫瘍と区別できないなどの欠点もある。筆者はMRI偽陰性を疑うときは間隔をおいて再検することが多い。1回目に陰性でも時間が経つと陽性になることもある。

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