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蕁麻疹

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-20
平郡真記子 (広島大学病院皮膚科)
秀 道広 (広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学教授)
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  • ■疾患メモ

    蕁麻疹は全人口の約10%が一生のうちに罹患するといわれる比較的頻度の高い疾患の1つである。

    紅斑を伴う一過性の限局性浮腫で,多くはかゆみを伴う。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    蕁麻疹の特徴は個々の皮疹の一過性にある。それゆえ,かゆみを伴う紅斑が24時間以内に出没することが確認できればほぼ蕁麻疹と考えてよい。

    蕁麻疹の病型分類をに示す1)

    14_10_蕁麻疹

    特発性の蕁麻疹は個々の皮疹に関する直接的原因ないし,誘因なく自発的に膨疹が出現するもので,全蕁麻疹の中で最も多い病型である。

    発症してからの期間が1カ月以内のものを急性蕁麻疹,1カ月以上経過したものを慢性蕁麻疹と呼ぶ。

    その他,皮膚表面の機械的擦過により膨疹を生じる機械性蕁麻疹や,入浴・運動・精神的緊張など発汗ないし発汗を促す刺激が加わったときに比較的小型の膨疹を生じるコリン性蕁麻疹などがある。

    【検査所見】

    蕁麻疹であるからといって画一的に検索すべき項目はない。

    まずは問診と診察により病型をある程度類推し,そのうえで検査を計画する。

    急性蕁麻疹は,上気道感染などの細菌やウイルスによると考えられることも多い。

    慢性蕁麻疹の多くは原因が不明であり,血液尿一般検査に蕁麻疹の原因と考えられる異常が見つかることはほとんどない。

    臨床的にアレルギー性の蕁麻疹が疑われる場合は,病歴にもとづき,被疑抗原に対する血清特異的IgEの検出,末梢血からのヒスタミン遊離試験,皮膚テストなどが診断確定と原因物質の特定のために有用である。

    物理性蕁麻疹,接触蕁麻疹では原因ないし誘因として疑われる負荷または物質との接触により皮疹を誘発することで診断を確定できる。

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    コチラより

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