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全身性形質細胞増多症 [プラタナス]

No.4748 (2015年04月25日発行) P.1

渡辺晋一 (帝京大学医学部皮膚科教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-20

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  • 臓器別に細分化されつつあった内科の「木をみて森をみず」的な診療に幻滅して、全身症状もみる皮膚科に入局した。当時の東大皮膚科では、新来患者で診断がつかない症例を午後から医局員全員で診察して、あれこれ議論することを毎日行っていた。新人の医師は検査係と称され、皮膚生検をし、その結果を症例検討会で発表することになる。

    写真の症例は非常に特徴のある皮疹と病理像を示したが、検討会でも結論がつかず、なんとか診断をつけたいと思った。ちょうど皮膚科に入局して1年が過ぎようとしていた頃である。その翌年、東京で開催された国際皮膚科学会においてsystemic plasmacytosisとして報告した。


    当時はPubMedもなく検索は困難を極めたが、同様の症例をさらに東大皮膚科から1例、日本語の論文から3例見出し、「全身性形質細胞増多症─特異な皮疹と全身リンパ節腫脹および多クローン性高ガンマグロブリン血症を伴う症候群」として日本皮膚科学会雑誌に発表した。珍しい症例なので世界にも発信すべきということで、英文論文にもした。

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