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小児・AYA世代のがん医療と支援を議論【厚労省検討会】

登録日: 2017-12-04

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厚生労働省の「小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会」(座長=堀部敬三国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター長)は1日に初会合を開いた。第3期がん対策推進基本計画に盛り込まれた小児・AYA(思春期および若年成人)世代のがん対策について厚労省は、年齢軸やがん種、地理、就学就労支援の4分類で議論を整理する方向性を打ち出した。検討会では議論を来春にも取りまとめ、2019年4月から始まる新たな小児がん拠点病院の指定要件に盛り込む予定。

厚労省は検討会の論点案として、第3期がん対策推進基本計画を踏まえた小児がん拠点病院の指定要件や、小児がん拠点病院と拠点病院以外の病院との連携強化、小児がん拠点病院でAYA世代の診療や妊孕性温存、就学・就労を含めた支援の対応を列挙。松本公一構成員(国立成育医療研究センター)は「小児がん拠点病院がAYAを含めてどこまで診られるのかという範囲を議論すべき。また、AYA世代の診療は年齢や疾患によって違ってくるが、支援に切れ目があってはいけない」と指摘した。越永従道構成員(日大)は「がん腫、年代、居住地域の3つがファクター。どこの地域でも同じ要件というのは難しい」と発言した。

厚労省の佐々木昌弘がん・疾病対策課長はこれらの意見を踏まえ、「小児期に発症してAYA世代にいく場合とAYA世代で発症した場合などの年齢軸やがん腫、地理、就学就労を含めた支援体制という4分類に分けた上で、議論を進めたい」と今後の方向性を提示。その上で、「小児期を過ぎた年齢層については、すべてを引き続き小児がん拠点病院で診られるわけではない。がん診療連携拠点病院や拠点病院以外の病院にも繋いでいくような整理をするという道筋はみえてきた」との見解を示した。

「15~19歳のがん患者への診療で小児科医が関わっているのは全体の20%に満たない。ほとんど成人診療科が診ているのが実態」と話す堀部座長(右から2人目)

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