株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

鼻出血への処方が投与中の抗凝固薬と原因疾患に与える影響は?【トラネキサム酸は影響する可能性があるが,カルバゾクロムは影響しない】

No.4878 (2017年10月21日発行) P.65

野村和弘 (東北労災病院耳鼻咽喉科副部長)

登録日: 2017-10-22

最終更新日: 2017-10-17

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 鼻出血等に対する止血目的で処方するトラネキサム酸(トランサミン®)やカルバゾクロム(アドナ®)はアスピリンやクロピドグレル,ワルファリン,直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)等の抗血小板薬や抗凝固薬に対して,あるいはそれらを必要とする疾患に対して影響を与えることがあるのでしょうか。

    (千葉県 K)


    【回答】

    トラネキサム酸は影響する可能性がありますが,カルバゾクロムは影響しません。

    トラネキサム酸は,プラスミンやプラスミノゲンのフィブリンアフィニティー部位であるリジン結合部位(lysine binding site:LBS)と強く結合し,プラスミンやプラスミノゲンがフィブリンに結合するのを阻止します。このため,プラスミンによるフィブリン分解は強く抑制されます1)。薬剤添付文書の使用上の注意に「血栓症が現れるおそれのある患者には慎重に投与すること」と記載があります。

    残り541文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top