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(1)GLP-1受容体作動薬の作用,特徴,2型糖尿病治療における位置づけ[特集:糖尿病治療におけるGLP-1受容体作動薬の位置づけ]

No.4877 (2017年10月14日発行) P.26

原島伸一 (京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学講師)

登録日: 2017-10-13

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  • グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬には,生理的な作用と薬理学的な作用がある

    製剤には,短時間作用型と長時間作用型がある

    大血管障害と細小血管障害の進展抑制効果が期待できる

    ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬以外の様々な抗糖尿病薬と併用が可能である

    高齢者への使用では,適応に注意する

    1. GLP-1受容体作動薬の作用

    グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1:GLP-1)受容体作動薬は,内在性GLP-1の生理的な濃度を超えて血中に存在することから,GLP-1が本来持つ生理的な作用に加え,薬理学的な濃度で多面的な効果を示す(図1)。

           

    ここでは,膵島における生理的作用および薬理学的な濃度で認める膵外作用について述べる。

    1 膵島における作用

    GLP-1の最も重要な作用は,グルコース応答性インスリン分泌を増強し,グルカゴン分泌を抑制する点である。これはGLP-1の生理的な濃度上昇の範囲内でも認められ,一般的にGLP-1受容体作動薬は,より安定して強い効果を示す。GLP-1は,膵β細胞に発現するGLP-1受容体に結合し,セカンドメッセンジャーであるcAMPを介してPKAとEpac2Aを活性化し,インスリン分泌を増幅する(図2)1)。GLP-1受容体作動薬の単独使用でも低血糖を起こさない理由は,血糖値が低くなりグルコースによるインスリン分泌が減少し惹起経路が作動しない状態では,GLP-1によるインスリン分泌の増強をきたすことがないからである。また,GLP-1は,膵β細胞からのインスリン分泌作用ならびに膵δ細胞からのソマトスタチンの分泌を介してグルカゴン分泌も抑制する。

    2 膵外作用

    薬理学的な濃度により,胃内容物の排泄遅延を認め食後血糖値の上昇を抑制したり,さらに中枢での食欲抑制効果を介して体重を減少させたりする効果がある。そのほか,LDL-コレステロール低下,HDL-コレステロール上昇,中性脂肪低下といった脂質代謝改善作用や血圧低下作用を認める2)

    また,ヒトにおいて非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)の組織学的改善や腎保護効果も報告されている3)。一方において,脈拍数の増加作用も認められる。

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