株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

【他科への手紙】循環器内科→小児循環器科

No.4876 (2017年10月07日発行) P.51

田村俊寛 (天理よろづ相談所病院心臓カテーテルセンター副部長)

登録日: 2017-10-04

最終更新日: 2017-10-03

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 近年、成人先天性心疾患(adult congenital heart disease:ACHD)という部門が注目されています。その名のとおり、幼少期に先天性心疾患で手術などの治療を受けた患児の成人期の医療を担当する部門です。

    わが国では昭和40年代頃から小児循環器医療が積極的に開始され、ファロー四徴症などに対する修復術が始められました。先人たちの努力の結果、現在では小児先天性心疾患患児の多くが成人を迎えるようになり、初期に治療を受けた患児らは現在40~50歳代に突入しています。また、わが国では少なくとも40万人以上の成人先天性心疾患患者がいると言われています。

    心房中隔欠損症や心室中隔欠損症に対する根治術後のケースであればさほど問題にはなりにくいですが、Eisenmenger症候群などを合併している未手術症例や手術後の遺残症や続発症のようなケースでは、年齢を重ねるとともにより慎重な対応が望まれます。

    先天性心疾患に精通した小児循環器科の先生方に診療を継続して頂ければ良いのですが、成人期になれば、新たに高血圧や不整脈、虚血性心疾患などのリスクが増え、これらが病態に悪影響を及ぼす可能性もあり、やはり我々循環器内科医の介入が必要となってきます。

    残り560文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
    2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top