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医療施設(有床診療所)の有効活用法

No.4685 (2014年02月08日発行) P.70

原田裕士 (株式会社 匠 代表取締役)

登録日: 2014-02-08

最終更新日: 2017-09-21

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【Q】

自宅併設の5階建て有床診療所(医師は親子2名,1階は診療所,2,3階は10室19床の病室,ナースセンター,調理室,食堂,リハビリ室など入院施設として使用,4,5階は自宅である。階段,エレベーターあり)だが,夜勤看護職員の充足が困難になったため将来的に無床化せざるをえない状況になっている。施設の2,3階を閉鎖せず活用する方法はないか。活用に際しては医療に限らなくともよいとも考えているが。
(長崎県 A)

【A】

活用法としては,サービス付き高齢者住宅やデイケアスペース,他科の開業希望医師への賃貸などが考えられるが,当該施設の立地環境などのマーケティングの事前調査が必要となる

病室部分を閉鎖せず施設を有効活用するには以下の方法が考えられるので,基本的な事項を列記させていただく。

サービス付き高齢者住宅(以下,サ付住宅)として活用する

この場合基本的に,建物内で生活する人を受け入れられるかどうか,がポイントになる。

それは,診療所に患者が入院するというこれまでの形態から,サ付住宅に高齢者が入居するという形に変わる,ということである。

常時建物内に人がいるということの責任感や緊張感から解放されることを望み,昼間だけの活用にとどめるのか。それとも入院患者がいたこれまで通りの24時間の活用を目指すのかということになる。

建物の改修については,サ付住宅のことをよく知っている設計士を選定し,現建物を自宅,診療所,サ付住宅に分けて改修することは可能かどうかを法律面,現実面でよく調査検討することが大事である。

デイケアスペースとして活用する

診療所の機能としてデイケアを行い,2,3階をデイケアスペースとして活用する。

デイケアスペースは診療所の一部となるので階段やエレベーターは現状のままでよいが,2,3階は大幅な改修工事が必要となる。

初めから2,3階すべてとするには貴院のスペースが広すぎるので(平面図略),まず2階から活用し,デイケア患者が増えて機械浴やリハビリ機器などを増設する必要が出てきてから,3階を活用するとよい。

この場合も医療施設の改修工事に手慣れた工事業者を選択したい。

2,3階を医療ビル(モール)として改修し,他科の医師に賃貸する

2,3階を完全に独立分離させ,それぞれ単独で診療所が開設できるように改修工事を行い,開業希望の医師に貸す。

ただ,質問の診療所の立地状況が医療ビル(モール)が可能な場所(マーケット)なのか,また,そういう開業希望の医師がいるのかどうかが不明であるので,事前調査が大変重要となってくることを付記しておく。

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