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(2)日常診療における虐待早期発見のポイント [特集:実地医家のための虐待医学]

No.4770 (2015年09月26日発行) P.23

山田不二子 (特定非営利活動法人チャイルドファーストジャパン理事長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-10

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  • 子ども虐待は,再発率が高く,再発すると致死率が上がっていく重症な小児疾患であるため,日常診療では見逃してはならない

    虐待においては早期発見のポイントを知り,発見したら通告をし,児童相談所や市区町村などと連携しつつ「子どもが第一の原則」に則って医療者も子どもを守っていく

    1. 見逃してはならない子ども虐待

    子ども虐待というと,児童福祉法や児童虐待の防止等に関する法律(以下,児童虐待防止法)で扱われるべき児童福祉問題ととらえられがちであるが,暴力を受ければ外傷を負うこともあるし,栄養を与えられなければ発育障害を起こすこともある1)。このように,虐待は子どもの身体に影響を及ぼし,再発率が高く,再発すると致死率が上がっていくという特徴を持つ2) 重症な小児疾患である。たとえ,外傷の程度が軽症であっても,子ども自身が負うリスクの大きさは,事故外傷の場合とは比べものにならない。したがって,子ども虐待は日常診療でも見逃してはならないと言える(表1)。

    2. 子ども虐待を疑うべき状況や所見

    子どもを虐待から救い出すためには,まず,虐待・ネグレクトに気づく目を持つことが必要である。以降,子ども虐待に気づくためのポイントを列挙する。

    1 外傷の発生機序に関する保護者の説明と矛盾する外傷所見1)3)〜7)

    例:ソファやベビーベッドからの落下事故なのに,子どもが致死的状態に陥っている。

    2 子どもの発達段階と矛盾する外傷所見3)〜7)

    例:未歩行の乳幼児が大腿骨らせん状骨折を負っている。

    3 保護者の説明が二転三転する3)〜7)

    例:「赤ちゃんが自分で転んだ」と言っていたのに,「上の子が(この子を)押し倒した」などと説明が変転する。

    4 子ども虐待に特徴的な外傷所見や徴候1)3)〜10)

    例:同じ形をしたパターン外傷,新旧混在する外傷が多発している。

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