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溶連菌感染後の尿検査は有用か?【スクリーニングは効率が悪く,観察項目提示後,該当者のみに施行するのが有用】

No.4867 (2017年08月05日発行) P.67

福岡かほる (東京都立小児総合医療センター感染症科)

堀越裕歩 (東京都立小児総合医療センター感染症科医長)

登録日: 2017-08-01

最終更新日: 2017-08-01

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  • 咽頭炎や扁桃炎時の溶連菌感染後に尿検査をした場合と,しなかった場合とで腎炎の発見率に差があるのでしょうか。つまり,溶連菌感染後の検尿が必要であるというエビデンスはあるのでしょうか。結果的に改善後にルーチンで尿検査をしたほうがよいでしょうか。

    (千葉県K)


    【回答】

    溶連菌感染症罹患後の合併症の1つとして溶連菌感染後急性糸球体腎炎(post-streptococcal acute glomerulonephritis:PSAGN)が知られています。過去,1年間の発症率は,国内の小児人口10万人当たり4.0であったと報告されています1)。すなわち1年間で2万5000人に1人がPSAGNを発症し,これは毎日1人に尿検査を行っても,1人診断するのに約70年を要することになります。また別の報告では,溶連菌性咽頭炎と診断された約5500例のうち,PSAGNを発症した症例は1例もなかったと報告されています2)

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