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老人ホーム入所者でX線検査の異常陰影が変化した場合,CT検査をするべき?【陳旧性結核病変陰影が増加した場合には,胸部CT検査が必要】

No.4867 (2017年08月05日発行) P.67

尾形英雄 (複十字病院副院長)

登録日: 2017-08-01

最終更新日: 2017-08-01

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  • 養護老人ホーム入所者の胸部X線検査の異常陰影が前年より多少変化することがあります。積極的にCT検査等を行うべきですか。対象者は症状なく,介護度4~5。

    (群馬県 K)


    【回答】

    ご質問の「異常陰影が前年より多少変化するが,CT検査をするべきか」には,2つの場合があると考えます。(1)病変が本当は変化していないのに変化したように見える場合,(2)病変が本当に変化している場合です。

    (1)病変が変化したように見える場合

    胸部X線写真(以下,胸写)での後前(posterior-anterior:PA)像は,被写体が立位,正しいポジション,最大吸気した状態で撮るのが基本です。しかし,介護度4~5の入所者は,立位,正しいポジション,最大吸気などの指示に従うことは困難でしょう。したがって,仰臥位のポータブル撮影前後(anterior-posterior:AP)像が中心になると思いますが,前年度のX線ビームの入射角や吸気位と同条件で撮影するのはほとんど不可能で,病変が変化したと判断するには慎重になる必要があります。

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