本稿では,『成人肺炎診療ガイドライン2024』における市中肺炎の診断と治療について,『成人肺炎診療ガイドライン2017』からの主な変更点や新たに盛り込まれた内容を紹介する。
これまでのガイドライン(『成人市中肺炎ガイドライン』『成人肺炎診療ガイドライン2017』)において,「細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別」の項目として挙げられていた6項目(表1)は,マイコプラズマ肺炎の独立した診断因子をもとに作成されたものであった。したがって,本ガイドラインでは,「細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎の鑑別」に改められた。また,重症化しやすいレジオネラ肺炎の臨床診断に有用なツールとして,レジオネラ診断予測スコア(表2)が掲載されている。
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