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自殺死亡者数、今後10年で1万6000人以下に【自殺総合対策大綱】

No.4866 (2017年07月29日発行) P.11

登録日: 2017-07-25

最終更新日: 2017-07-27

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政府は25日、新たな「自殺総合対策大綱」(用語解説)を閣議決定した。今後10年間で自殺死亡率を30%減少させるという数値目標を盛り込み、現在2万人超の年間自殺者数を1万6000人以下とすることを目指す。

新大綱では、全体的に自殺者数は減少傾向だとしつつ、20歳未満の自殺死亡率(人口10万人当たり)は1998年以降横ばいであることや、20~30代の最大の死因が自殺であることを問題視し、「非常事態はいまだ続いている」と強調。主要先進諸国と同水準になるよう、2026年までに自殺死亡率を15年比で30%以上減少させるとした。

重点施策の新たな柱は、①地域レベルの実践的な取り組みへの支援強化、②子ども・若者の自殺対策の推進、③勤務問題による自殺対策の推進─の3つ。①については、昨年の自殺対策基本法改正で都道府県・市町村による「地域自殺対策計画」の策定が定められたことを踏まえ、計画を策定する自治体への国の支援策を明記した。

②では、精神疾患の早期発見、早期介入のための取り組みを推進。地域の救急医療機関、精神保健福祉センター、保健所、教育機関等がネットワークを構築し、適切な医療機関や相談機関の利用を支援するとしている。

また③では、長時間労働是正の必要性に言及。ストレスチェック制度の実施徹底を通じたメンタルヘルス対策の推進も求めた。

【自殺総合対策大綱】:自殺対策基本法に基づく、政府が推進すべき自殺対策の指針。2007年に初めての大綱が策定され、今回で3度目の策定。自殺を巡る諸情勢の変化や大綱に基づく施策の推進状況、目標達成状況等を踏まえ、概ね5年をメドに見直しを行う。

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