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【コラム】腎癌のサイトカイン療法(IFN-α,IL-2)は必要か?[特集:今、話題になっていること ─泌尿器科編]

No.4857 (2017年05月27日発行) P.41

近藤恒徳 (東京女子医科大学東医療センター泌尿器科教授)

登録日: 2017-05-26

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  • 過去のサイトカイン療法

    転移性腎癌の治療薬は,分子標的治療薬が出るまではインターフェロン(interferon:IFN)-αあるいはインターロイキン(interleukin:IL)-2によるサイトカイン療法が主体であった。このサイトカイン療法のエビデンスをまとめたCochrane Database Systematic Reviewによれば,それ以外の治療と比較し,奏効率が11.3% vs. 2.4%とサイトカイン療法で高く,完全奏効(complete response:CR)も3.3%に認められたとしている1)
    しかし,50%全生存期間は13カ月と十分なものではなかった。また,欧米においてはIL-2が多く使用され,1日投与量が6500万単位/m2以上となる高用量(high dose IL-2)で投与されていた。低血圧,肺水腫などの副作用がかなり多く出ることが問題であった。しかし,high dose IL-2は,1/10量のlow dose IL-2やIFN-αに比べ高い奏効率が報告され,欧米では第一選択として使用されていた。わが国ではIFN-α単独が用いられることが多かったが,high dose IL-2とIFN-αのどちらがよいのか,また,IL-2の投与量についても十分なエビデンスはなかった。

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