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(11)高血圧─運動強度が高すぎる 高血圧内服治療中,血圧値をさらに下げようと高強度の運動を継続[特集:困った患者の生活習慣指導]

No.4722 (2014年10月25日発行) P.64

編集: 津下一代 (あいち健康の森健康科学総合センター センター長)

加藤綾子 (あいち健康の森健康科学総合センター健康開発部専門員)

登録日: 2016-09-01

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  • 病歴(検査データは異常値のみ)
    52歳,男性。会社員。
    幼少期からBMI 高値を指摘,中学生から血圧高値も指摘。42歳から膝関節痛があり,整形外科通院中に高血圧診断。同科にて内服を開始している。現在,身長161.4cm,体重81.3kg,BMI 31.2,安静時血圧168/106mmHg。
    高血圧改善のために,運動消費カロリーを増やすことを目的として,内服開始時の10年前から週1回水泳30分,自転車30分を継続し,運動後の血圧低下を楽しみにしている。運動施設で安静時血圧の高値を指摘され,内科受診となった。
    家族歴:祖母が高血圧。飲酒:2~3合を週1回。喫煙:20本/日×15年。
    運動: 水泳+自転車1時間を週1回,1回の運動消費エネルギーが500kcalになることをめざしている。食生活:大盛り,汁物を控えている。

    1. 医師はどのような点に困っているのか?

    問談点
    ▶運動による消費カロリーにこだわり,運動強度が高すぎる
    ▶「薬剤を内服しているから,安静時血圧が高くても心配ない」と思っている

    10年前より降圧薬を内服しているが,安静時血圧が高いこと,食事や運動を自分なりに気をつけているが体重減量を認めないこと,禁煙は重要と考えているが今はまだ挑戦できないことを確認し,食事や運動の生活習慣改善についての見直しを提案した。薬を内服しており症状がないため,血圧値はこれで大丈夫だと思っていた。今後は家庭血圧を測定し,数値に合わせて運動強度を変化させること,食事も主菜を減らす目標を実施すると宣言したが,1カ月後の受診時には体重減量を認めず,安静時血圧は高いままであった。
    運動,食事の目標設定が不十分であったのだろうか?

    2. 困難となる患者の状況をどう整理するのか?

    (1)「内服しているから大丈夫」と考えてしまう

    「血圧降下薬は毎日処方通りに内服しているから大丈夫」と思っている。受診時に特に指摘されていないため,「今の血圧値でよい」と思っている。

    (2)血圧高値に関する知識

    血圧改善のために,必要な運動は実施していると思っている。週1回,1時間の運動を10年間継続しており,着替えが必要なほど汗をかくので,体重減少しないのは何かの間違いだと思うし,主治医にも運動実施していることを褒められていて自信を持っている。

    (3)「運動後に血圧が下がっているから大丈夫」と考えてしまう

    運動後には血圧測定すると,120~130/80~90mmHgまで下がるため,「現在の生活習慣で問題ない」と思っている。

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