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(20)高齢者─治療のゴール 「歳だから,いまさらがんばっても仕方がない」という患者。治療のゴールをどう決めていくのか?[特集:困った患者の生活習慣指導]

No.4722 (2014年10月25日発行) P.111

編集: 津下一代 (あいち健康の森健康科学総合センター センター長)

村本あき子 (あいち健康の森健康科学総合センター健康開発部 部長)

登録日: 2016-09-01

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  • 病歴(検査データは異常値のみ)
    79歳,男性。退職後。
    45歳から降圧薬を,70歳から血糖降下薬(SU薬)を服用している。
    身長159.1cm,体重71.9kg,BMI 28.4,腹囲100.8cm,血圧142/84mmHg,TG 210mg/dL,空腹時血糖174mg/dL,HbA1c 7.3%,眼底所見に異常なし。尿酸8.0mg/dL。
    数年前に妻が他界した後,独居となり,食生活が変わった。家にいると,つい酒を飲んでしまうので,週2回は仲間に会うために運動施設に通っている。
    飲酒:日本酒1~2合/毎日,喫煙:なし。運動:運動施設でウォーキング30分を週2回,食生活:外食や購入した惣菜を食べることが多い。

    1. 医師はどのような点に困っているのか?

    問題点
    ▶高血圧,糖尿病の治療のゴールをどう決めるとよいのか?

    血圧,血糖いずれも良いコントロールにしておかないと,脳梗塞など動脈硬化性疾患の危険が高いことを説明した。しかし,本人の口癖は「もう歳だし,あとはぽっくり逝ければいい」「なるべく人様のお世話にはなりたくない」である。
    今後,治療のゴールをどのように考えたらよいのだろうか。

    2. 困難となる患者の状況をどう整理するのか?

    (1)患者─医師の信頼関係

    継続して当クリニックを受診しており,信頼関係はあると考えられる。

    (2)介護予防に関する知識

    高血圧,糖尿病が合併症を引き起こす病気であることは知っており,服薬も続けている。しかし,介護を必要としないために,自分の生活において具体的にどうするとよいか,ということについてはあまり考えたことがない。

    (3)経過と患者の「思い」

    高血圧,糖尿病の治療はまじめに続けており,運動施設にも定期的に通っている。もう若くないし,我慢してまで検査値を良くしてもしょうがない,と思っている。

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