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(16)2型糖尿病─末期例への対応 合併症が出ているのに治療中断。足の壊疽で下腿切断術後も定期的に受診しない[特集:困った患者の生活習慣指導]

No.4722 (2014年10月25日発行) P.87

編集: 津下一代 (あいち健康の森健康科学総合センター センター長)

村本あき子 (あいち健康の森健康科学総合センター健康開発部 部長)

登録日: 2016-09-01

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  • 病歴(検査データは異常値のみ)
    48歳,男性。元トラック運転手。
    「足の傷が治らない。食思不振,発熱」を主訴に来院。
    当院初診時,血糖高値,右下肢足底~外果下部に壊疽あり。いつから糖尿病があったか不明。他院でインスリン導入したが,通院は不定期であった。両側網膜症に対し,他院の眼科で硝子体切除術後であった。視力は指数弁。
    空腹時血糖316mg/dL,HbA1c 10.9%,総蛋白3.8mg/dL,Alb 2.3mg/dL,Cr 1.1mg/dL,24時間Ccr 45.5L/日,尿蛋白2.9g/日。
    抗菌薬により治療しても改善がみられないため,入院のうえ右下腿切断術を施行される。
    家族歴:不明。飲酒:ビール大瓶1本/毎日,喫煙:40~50本/日×25年,運動:なし,食生活:好きなものを食べている。

    1. 医師はどのような点に困っているのか?

    問題点
    ▶合併症が進行しているのにもかかわらず,治療中断を繰り返す
    ▶生活習慣を改善する気持ちがみられない

    当院受診時に,すでに糖尿病合併症が進行していた。これまで他院への受診状況も不定期であり,インスリンは気が向いたら家族の協力を得て注射し,処方された分がなくなったら注射はしないままであった。病院は,足壊疽や食欲低下などの自覚症状が出た時のみ受診する。入院中も,車いすで院外まで行って喫煙を続ける。
    このままの生活をしていると,さらに合併症が進むことを再三説明するが,行動は変わらない。

    2. 困難となる患者の状況をどう整理するのか?

    (1)患者─医師の信頼関係

    「病院の雰囲気が嫌い。なるべく来たくない」との発言あり。信頼されていないわけではないと思うのだが……。

    (2)糖尿病に関する知識

    「血糖を下げたほうがいい」ということは,内科や眼科受診時に,これまでに何度も聞いて知っている。

    (3)経過と患者の「思い」

    視力が低下したこと,足壊疽から下腿切断に至ったことにより,生活上の不便は感じているが,これ以上合併症を進行させないために生活習慣を改善する,という行動には結びつかない。

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