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(17)禁煙─生活習慣改善に拒否的 たばこをやめろと言われてもやめたくない,ストレスが多く生活習慣を変える気がない[特集:困った患者の生活習慣指導]

No.4722 (2014年10月25日発行) P.91

編集: 津下一代 (あいち健康の森健康科学総合センター センター長)

中村正和 (大阪がん循環器病予防センター予防推進部長)

登録日: 2016-09-01

最終更新日: 2017-04-20

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  • 病歴
    50歳,男性。町工場の社長。軽度肥満。糖尿病と高血圧で通院中。
    5年前から血糖降下薬と降圧薬を服薬している。飲み忘れることも多く,血糖と血圧のコントロールは必ずしもよくない。昨今の経済状況下,経営(資金繰り,借金,リストラなど)からくるストレスが多い。
    飲酒:ビール中瓶2本を,毎日晩酌で飲む。仕事上の付き合いで飲む時は晩酌以上の量を飲む。食生活:食事はお酒のおつまみになるものが多く,味のしっかりした塩分の多いものを好む。喫煙:17歳から吸い始め,現在1日30本。これまでに2回禁煙したが,2日間しか続かなかった。妻と子ども(娘2人,高校1年生と3年生)から,禁煙するように口うるさく言われている。生活習慣:ストレスが多く,飲酒や喫煙などの生活習慣を変える気はない。運動:休みは日曜日だけで,月1回程度ゴルフに行くが,仕事で疲れているので,休みの日はゴロゴロしていることが多い。

    1. 医師はどのような点に困っているのか?

    問題点
    ▶喫煙や飲酒などの生活習慣を変えることへの準備性が低い
    ▶主治医や家族からのアドバイスに対して,拒否的な態度をとる

    これまで受診の機会をみて喫煙や飲酒に対してアドバイスをしてきたが,会社経営のストレスなどを理由に改善に取り組もうとしない。禁煙については,当院でも禁煙外来を開設しており,保険診療で禁煙補助薬を処方できることを伝えているが興味を示さない。
    このような患者にどのようにアプローチをすればよいだろうか?

    2. 困難となる患者の状況をどう整理するのか?

    ・生活習慣の改善に対して無関心な患者の「心の内を覗く」

    本症例において,生活習慣改善の準備性が低い主な理由としては,①会社経営のストレスが多く,生活習慣まで改善する心の余裕がない,②禁煙については,過去に2回挑戦したが,わずか2日しか続かず自信をなくしてしまった,③「高血圧と糖尿病の治療を受けているので,生活習慣まで改善しなくても健康状態は保たれる」という過度な期待をしており,生活習慣の改善の必要性を十分理解するまでには至っていない,が挙げられる。

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