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絶対覚えておきたい 疾患別薬物相互作用

この一冊で,薬の使い方に「根拠」が持てます!

定価:4,950円
(本体4,500円+税)

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編著: 藤村昭夫(自治医科大学臨床薬理学教授)
判型: A5判
頁数: 368頁
装丁: 2色刷
発行日: 2013年01月20日
ISBN: 978-4-7849-4176-6
版数: 第1版
付録: -
■ 好評書「疾患別 これでわかる薬物相互作用」を新装改訂。高血圧,脂質異常症,悪性疾患など,全21の疾患・状態ごとに併用禁忌の薬剤を取り上げ,なぜ相互作用が起こるのかをわかりやすく解説しています。また,副作用の機序を明確にすることで,服薬指導の際,その根拠を示すことが可能になります。

€■ 見やすい図表を多数収載し,具体的事例を挙げて説明することで,臨床医がイメージしやすいよう構成しています。

目次

Ⅰ 総論
1 はじめに
2 薬物動態学的相互作用
3 薬力学的相互作用
4 おわりに
Ⅱ 各論
Ⅱ-1 高血圧
1 Ca拮抗薬×イトラコナゾール
2 Ca拮抗薬×リファンピシン
3 ベラパミル×メトプロロール
4 ACE阻害薬×非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
Ⅱ-2 糖尿病
1 グリベンクラミド×ベザフィブラート
2 経口血糖降下薬×α-グルコシダーゼ阻害薬
3 グリピザイド×スルホンアミド
4 ビグアナイド剤×ACE阻害薬
Ⅱ-3 脂質異常症
1 シンバスタチン×抗真菌薬
2 HMG-CoA還元酵素阻害薬×フィブラート系薬
3 HMG-CoA還元酵素阻害薬×Ca拮抗薬
4 HMG-CoA還元酵素阻害薬×シクロスポリン
5 エゼチミブ×シクロスポリン
Ⅱ-4 虚血性心疾患
1 硝酸薬×クエン酸シルデナフィル
2 ワルファリン×ビタミンK含有食品
3 ワルファリン×非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
Ⅱ-5 心不全
1 ジゴキシン×マクロライド系抗菌薬,アジド系抗菌薬
2 ジゴキシン×イトラコナゾール
3 ジゴキシン×アカルボース
4 ACE阻害薬×K保持性利尿薬
5 ジゴキシン×フェキソフェナジン
6 ワルファリン×経口避妊薬
Ⅱ-6 不整脈
1 ジソピラミド×マクロライド系抗菌薬
2 ジソピラミド×クラリスロマイシン
3 ワルファリン×抗菌薬
4 ジゴキシン×抗菌薬
5 ジゴキシン×抗真菌薬
6 ワルファリン×アミオダロン
7 抗不整脈薬×リファンピシン
8 抗不整脈薬×シメチジン
9 β遮断薬× Ⅰ群抗不整脈薬
ソタロール×オセルタミビル
ワルファリン×選択的COX-2阻害薬
Ⅱ-7 消化器疾患
1 制吐薬(5-HT3受容体拮抗薬)×リファンピシン
2 ベンズアミド系消化管運動改善薬×抗うつ薬,抗精神病薬
3 ポリカルボフィルカルシウム×炭酸リチウム
Ⅱ-8 慢性閉塞性肺疾患
1 テオフィリン×フルオロキノロン系抗菌薬
2 テオフィリン×マクロライド系抗菌薬
3 テオフィリン× H2受容体拮抗薬
4 テオフィリン×メキシレチン
5 テオフィリン×リファンピシン
6 テオフィリン×アロプリノール
7 テルブタリン×テオフィリン
8 メチルプレドニゾロン×抗真菌薬,抗菌薬
9 メチルプレドニゾロン×リファンピシン
Ⅱ-9 関節リウマチ
1 メトトレキサート×非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
2 メトトレキサート×抗菌薬
3 シクロスポリン×非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
4  D-ペニシラミン×鉄剤および制酸薬
5 レフルノミド×ワルファリン
Ⅱ-10 悪性腫瘍
1 TS-1×フッ化ピリミジン系薬物
2 抗がん薬×ワルファリン
3 抗がん薬×フェニトイン
4 エルロチニブ×シンバスタチン
5 メトトレキサート×オメプラゾール
Ⅱ-11 感染症
1 ニューキノロン系抗菌薬×非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
2 ニューキノロン系抗菌薬×制酸薬・消化性潰瘍治療薬
(金属カチオン含有)
3 セフジニル×鉄剤
4 HIVプロテアーゼ阻害薬×抗菌薬
Ⅱ-12 うつ病
1 フルボキサミン×各種薬物
2 パロキセチン×フレカイニド
3 オランザピン×喫煙
4 クロザピン×シプロフロキサシン
5 デュロキセチン×ワルファリン
6 アリピプラゾール×各種薬物
7 アミトリプチリン×フルコナゾール
8 炭酸リチウム×ポリカルボフィルカルシウム
9 リスペリドン×フルボキサミン
Ⅱ-13 てんかん
1 バルプロ酸ナトリウム×カルバペネム系抗菌薬
2 チクロピジン×フェニトイン
3 カルバマゼピン×バルプロ酸ナトリウム
Ⅱ-14 緑内障
1 チモロール点眼薬×ベラパミル
2 アセタゾラミド×アスピリン
Ⅱ-15 移 植
1 シクロスポリン× Ca拮抗薬
2 シクロスポリン×リファンピシン
3 タクロリムス×マクロライド系抗菌薬
4 タクロリムス×ミルタザピン
5 タクロリムス×ボリコナゾール・ワルファリン
6 エベロリムス×アゾール系抗真菌薬
7 ミコフェノール酸モフェチル×鉄剤
8 アザチオプリン×アロプリノール
Ⅱ-16 食物と嗜好品
1 アトルバスタチン×グレープフルーツ
2 ベンゾジアゼピン類×アルコール
3 シクロスポリン×セントジョーンズワート
4 メトトレキサート×コーラ
Ⅱ-17 血栓症
1 ワルファリン×セレコキシブ
2 ワルファリン×パクリタキセル・シスプラチン
Ⅱ-18 脳血管障害
1 ワルファリンカリウム×中心静脈栄養総合ビタミン剤
Ⅱ-19 アレルギー性疾患
1 フェキソフェナジン×ジゴキシン
2 セチリジン×ピルジカイニド
Ⅱ-20 筋緊張
1 チザニジン×フルボキサミン・シプロフロキサシン
Ⅱ-21 妊 娠
1 レボノルゲストレル×ワルファリン

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序文


数多くの優れた薬物が治療に用いられるようになり,多くの患者の予後が改善している。しかし稀ではあるが,薬物のために有害反応が出現し,生命が脅かされることもある。近年,薬物有害反応の誘因のひとつとして薬物相互作用の存在がクローズアップされるようになり,新しい薬物を開発する際には,より安全な薬物療法を実施するために,薬物相互作用の有無を明らかにする努力がなされている。しかし,依然として薬物相互作用に基づくと思われる薬物有害反応が後を絶たない。

€これまで著者は,前書「疾患別 これでわかる薬物相互作用」第1?3版(日本医事新報社)を出版する機会に恵まれ,幸いにも多くの臨床医に参照して頂くことができた。その間,臨床の場で薬物相互作用の重要性がますます認識されるようになり,さらに新たな薬物相互作用例も多く報告された。そこで本書では,前書で取り上げた薬物相互作用例を見直すとともに,対象とする疾患数を16から21に増やし,その内容を大幅に改訂した。

薬物を適正に使用するためには,薬物相互作用の存在を常に念頭に置く必要があることは言うまでもない。本書が臨床や教育の場で薬物相互作用の情報源として活用され,薬物の適正使用の推進に役立てば幸いである。

€最後に,本書の出版にご協力頂いた日本医事新報社の磯辺栄吉郎氏,加藤範也氏に厚くお礼申し上げます。

€2013年1月€

藤村昭夫

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レビュー

【書評】薬の適切な使用のために外来に置いておきたい1冊

檜垣實男(愛媛大学医学部附属病院病院長)
高齢者の多くが複数の疾患を抱え,多剤を併用していることが多い。高齢者では,平均3.5種類の疾患を有し,これに対して平均4.4剤の薬剤を服用しているとの報告もある。このような現状から,薬剤個々の副作用に加えて薬物の相互作用を知ることはきわめて重要である。

個々の薬剤の副作用に関しては添付書を調べればすぐに分かるが,薬物間の相互作用を1つ1つ調べることは至難の業である。このため,臨床医として,まずは実際患者に処方する場合に,正確な薬物の相互作用を知りたいものである。このことは,患者に対して有害事象を起こさないようにするため,かつ医師自身の過失を未然に防ぐために不可欠である。そのような要望に応えてくれるのが本書である。

以下に本書の特徴を列記する。(1)理解しづらい薬物動態に関しては,図表を多用することで容易に理解できるように配慮されている。(2)疾患別に解説されているため,実臨床の場面で本書を外来に置いておくだけで簡単に検索することができる。(3)疾患別の解説の前に相互作用を起こす代表的な薬物の組み合わせが示されており,注意すべき薬物の組み合わせを簡単に知ることができ,安心して処方することができる。(4)特に注意すべき薬物相互作用については典型的な症例が提示されているため,臨床医として理解しやすいとともに危険な薬物の組み合わせを記憶にとどめることが可能である。

最近発売されている薬剤は,有効性が非常に高く,副作用も少なく,医師にとってはありがたい。しかし,薬物の相互作用についてしっかりと押さえておかないと,せっかくの良薬も時には害となる。複数の薬剤を投与する時には,本書に示されているような相互作用が存在することを肝に銘ずるべきであり,本書の有用性はきわめて高いと言えよう。良医の座右の書として推薦したい。

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