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地域における薬剤耐性菌への対策の取り組み 【医療機関・行政・地域施設間の情報共有やサーベイランス,感染制御の規格統一・高精度化が必要】

No.4845 (2017年03月04日発行) P.63

武藤義和 (国立国際医療研究センター病院国際感染症センター)

村上啓雄 (岐阜大学医学部附属病院生体支援センター長)

登録日: 2017-03-01

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  • わが国を含む世界各国で,国際保健における課題として,増え続ける薬剤耐性菌への対応が注目されています。わが国でも厚生労働省によって「薬剤耐性(antimicrobial resistance:AM R)対策アクションプラン」が策定され,具体的な対策が始まりました。そこで,地域におけるAMRへの対策や,病院間での連携について岐阜大学医学部附属病院・村上啓雄先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    武藤義和 国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター


    【回答】

    新興・再興感染症対策や,AMR対策については,平素から各医療機関のみならず,連携する地域全体の医療機関間の情報共有やサーベイランス,感染制御の規格統一と高精度化が必要です。

    私たちは2000年から「岐阜院内感染対策検討会」を発足させ,岐阜県内のほぼ全病院,高齢者施設,保健所,行政担当者,支援製薬会社が会員制で一堂に会し,地域連携体制の構築を始めました。年2回勉強会を実施し,4年前からその1回は岐阜県内感染防止対策加算算定病院合同カンファレンスに充てています。また2005年からは岐阜県健康福祉部の支援を受け,「院内感染対策研究事業(相談窓口,実地訪問指導,改善支援調査など)」を,2008年からは「岐阜県予防接種センター事業」を開始し,地域の感染症対策強化を図ってきました。

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