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オセルタミビルの1歳未満児への使用量の根拠は? 【欧米等の用法・用量記載に基づいた公知申請がなされたため従来量との差が生じた】

No.4843 (2017年02月18日発行) P.63

新庄正宜 (慶應義塾大学医学部小児科専任講師)

登録日: 2017-02-14

最終更新日: 2017-02-14

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  • 抗インフルエンザウイルス薬・オセルタミビルリン酸塩(タミフルドライシロップ3%)の1歳未満児への使用が厚生労働省検討会議において「公知申請を行っても差し支えない」と判断され,保険適用にもなりました。ただ,治療に用いる用量が従来の幼小児への1.5倍の投与量と決まったようですが,これはどうしてでしょうか。慶應義塾大学・新庄正宜先生にご教示をお願いします。

    (質問者:群馬県 M)


    【回答】

    承認された投与量が,公知申請(0歳児)と従来(1歳以上)とで異なるためです。

    公知申請では,「欧米等6カ国(米国・英国・ドイツ・フランス・カナダ・オーストラリア)のいずれかの国で,一定のエビデンスに基づき,特定の用法・用量で広く使用されていることが確認できる適応であって,医療上その必要性が高いもの」1)に関する要望の公募実施を行うことにより,いわゆる治験等を行わずに,効能または効果等の承認が可能となります。このため,用法・用量も欧米等の記載に従います。

    今回,本薬剤の対象は0歳児(新生児,乳児)でしたが,1歳以上の児においては既に国内で承認されています。よって,0歳児には米国で承認された1回3mg/kg,1日2回(公知申請),1歳以上の小児には既に承認されている1回2mg/kg,1日2回(従来の投与法の適用)となります(表1)2)3)

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