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地域高齢者における生活機能測定指標の変遷 【老研式活動能力指標からJST版活動能力指標へ】

No.4843 (2017年02月18日発行) P.56

岩佐 一 (福島県立医科大学公衆衛生学講師)

登録日: 2017-02-16

最終更新日: 2017-02-14

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世界保健機関によると,「高齢者の健康は疾病の有無ではなく,生活機能の自立の程度で評価すべき」とある。特に地域在住高齢者には,身体的自立(ADL)よりも高いレベルの生活機能を測定できる指標が必要である。こうした考えに基づき,1987年に「老研式活動能力指標」(老研式)1)が作成された。「1人で外出できる」「若い人に話しかける」などの13項目から構成され,高齢者が地域で自立して日常生活を送るために必要な,高いレベルの生活機能(高次生活機能)が測定可能である。

「老研式」の発表から25年以上が過ぎ,急速な高齢化や生活環境の変化,高齢者の健康状態,ライフスタイルの変容に応じて,より高いレベルの生活機能の測定が可能な尺度として「JST版活動能力指標」2)3)が開発された。「携帯電話やパソコンでメールができる」「教育・教養番組を視聴している」など16項目から構成され,4つの下位尺度(新機器利用,情報収集,生活マネジメント,社会参加)に各々4項目が含まれる。各項目とも,「はい」「いいえ」の二者択一で,高齢者自身に回答を求め,各々の単純加算により,下位尺度得点・総得点の評価ができる。高齢者の健康状態の低下や社会的不活発さを「老研式」よりも早く発見することに利用でき,高齢者の高次生活機能の評価や地域疫学調査など,様々な局面で活用されはじめている。

【文献】

1) 古谷野 亘, 他:日公衛誌. 1987;34(3):109-14.

2) Iwasa H, et al:Gerontol Geriatr Med. 2015;doi: 10.1177/2333721415609490.

3) JST版活動能力指標利用マニュアル. 第1版. 2014.
[http://ristex.jst.go.jp/pdf/korei/JST_1115090 _10102752_suzuki_ER_2.pdf]

【解説】

岩佐 一 福島県立医科大学公衆衛生学講師

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