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(2)事例紹介:地域における遠隔医療の有用性と課題 [特集:遠隔医療の現状とこれからの展開]

No.4840 (2017年01月28日発行) P.32

石子智士 (旭川医科大学医工連携総研講座特任教授)

登録日: 2017-01-27

最終更新日: 2017-01-25

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  • 遠隔医療には,①医師対患者型,②医師対看護師対患者型,③医師対医師対患者型,④医師対医師型,の4つの形態がある

    現状では,眼科の遠隔医療は,「医師対医師対患者型」か「医師対医師型」が主体とならざるをえない

    遠隔医療は,患者負担の軽減のみならず,地方勤務医師の心理的サポートという側面からも有用である

    非リアルタイム型遠隔医療支援で問題が解決されることも多い

    遠隔医療支援とトリアージにより,約8割の症例で地元での診療継続が可能であった

    眼科検査機器の小型軽量化と簡便化が進めば,眼科の遠隔医療はより現実的となる

    遠隔医療の普及には,財源の確保やインセンティブが重要である

    1. 遠隔医療の実際

    近年,地方都市における医師不足,医師の偏在化は深刻度を増し,地域間での医療格差が大きな問題となってきている。この問題の緩和のため,遠隔医療には期待が寄せられているが1),遠隔医療と言えば,テレビ電話を用いて患者が在宅で医師の診療を受けることができる,いわゆる「医師対患者型」,あるいは患者宅を訪問した看護師を介して医師が診察する「医師対看護師対患者型」の形態を思い浮かべるかもしれない。これらの遠隔医療を安心・安全に行うためには,検査データの質が重要な条件となる。特に眼科領域では,前眼部から後眼部に至るまでの眼疾患の適切な検査所見を得るために,その光学的特殊性から,疾患に応じた検査機器と検査技術の熟練,さらには専門的知識が要求される。そのため,疾病によっては,眼科医あるいはトレーニングを受けた医師以外では適切な所見を得ることは容易ではない。以上の理由から,現時点における眼科の遠隔医療では,患者の診察に当たる医師を支援する「医師対医師対患者型」,あるいは医師からの相談に対応する「医師対医師型」の形態が主体とならざるをえない2)

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