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心房細動における脳卒中予防 【ワルファリンに比べ,出血性・虚血性脳卒中に優位性を持つ新規抗凝固薬が登場】

No.4840 (2017年01月28日発行) P.52

諸岡俊文 (山元記念病院循環器内科部長)

野出孝一 (佐賀大学循環器内科教授)

登録日: 2017-01-24

最終更新日: 2017-01-24

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これまで心房細動患者の脳卒中予防に有効とされる薬剤は,ワルファリンのみであった。しかし,ワルファリンはビタミンKを制限したり,プロトロンビン時間の国際基準PT-INRを2.0~3.0にコントロールする必要があった。

我々日本人を含めたアジア人種において,ワルファリンによる頭蓋内出血のリスクはほかの人種より2倍高いことがわかっている。このため,心房細動による脳卒中予防という観点から,複数の指標が提案されてきた。特にCHADS2スコアは簡便で,点数ごとに年間脳卒中の発生頻度が明らかとなっており,抗凝固療法による脳卒中発生頻度との比較,いわゆるネットクリニカルベネフィットを考慮したガイドラインが生まれた1)。また,ワルファリンがいかに適正コントロール範囲内で使用されてきたかを示す,TTR(time in therapeutic range)の計算も評価のひとつとなった。

60年ぶりに,ワルファリンと比較して有意に出血性脳卒中を減らし,虚血性脳卒中に対して非劣性あるいは優越性を示す新規抗凝固薬(NOAC)が登場した。これはビタミンK非依存性であり,腎機能,年齢,体重などを指標にして一律に投与することで脳卒中が予防できる。非薬物療法として,カテーテルアブレーションによる肺静脈隔離術や左心耳閉鎖デバイス(WatchmanTM)なども登場し,心房細動治療はさらに変化していくであろう。

【文献】

1) 日本循環器学会:循環器病の診断と治療に関するガイドライン. 2012年度合同研究班報告.

【解説】

諸岡俊文 山元記念病院循環器内科部長

野出孝一 佐賀大学循環器内科教授

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