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ローカルとグローバル [炉辺閑話]

No.4837 (2017年01月07日発行) P.29

山口修平 (島根大学医学部長)

登録日: 2017-01-01

最終更新日: 2016-12-27

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不謹慎ではあるが、一昨年の9月まで大学法人の中期目標・計画を特に意識はしていなかった。実際それまでは、関係する一部分に多少関わる程度であった。10月に学部長を引き受けることになり、こんなに大変なものがあることがわかり、にわかにその勉強をさせて頂いた。ちょうど第2期の中期計画がほぼ終了し、第3期の準備の最終段階であった。

平成25年に行った医学部ミッションの再定義で、私どもは「国際的なセンスを持ち地域医療をリードする研究マインドを持った高度な地域医療人養成」をめざすこととなった。一言でいえば、地域貢献を行いながらグローバル化をめざすということである。それ以降、地域枠推薦など人と時間を要する入試方法を維持し、カリキュラムでも地域医療教育を充実させる一方で、外国人教員を採用し、海外の大学との協定や海外研修派遣を積極的に増やしてきた。このようにローカルとグローバルを両輪のように進めることは、なんとか可能のように思っていた。しかし、この両者を一体化させることは、言葉では理解できても現実としてなかなか難しいのではないかとの思いもあった。

そんな折、昨年7月にJICA職員の方から相談をしたいとの連絡が入った。話を伺うと、以前にエボラ出血熱と闘った西アフリカ諸国が長年医療の困難地域になっており、医師・看護師等の保健人材の定着に苦慮しているとのことであった。この人材定着を促進するために、島根大学の地域枠の取り組みを紹介して欲しいと要請があった。そして9月に仏語圏アフリカ保健人材広域ネットワークのシンポジウムがあり、島根県の市町村、大学、県、地域医療機関が一体となった私どもの取り組みの現状を紹介させて頂いた。この時、世界における様々な取り組みを聞く中でおぼろげながらグローバルとローカルの一体化を感じた。ローカルな試みがグローバルに役立つこと、つまりローカルに行動しグローバルに考えること(あるいはその逆)がグローカルの中身と思った次第である。結局は、ローカルに自らの強みを蓄積し、それを強く意識しながら行動することが大切ではないだろうか。

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