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小児・若年がん患者の妊孕性温存 【ネットワークを構築し,実態調査と妊孕性温存治療の発展に向けた取り組みを行っている】

No.4815 (2016年08月06日発行) P.48

三善陽子 (大阪大学小児科講師)

大薗恵一 (大阪大学小児科教授)

登録日: 2016-08-06

最終更新日: 2016-10-30

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日本のがん対策推進計画として「がん対策加速化プラン」が策定され,小児とadolescent and young adult(AYA)世代のがん対策が取り組むべき課題のひとつとされた。小児がん経験者(childhood cancer survivors:CCS)は,晩期合併症のリスクがあり長期フォローアップが重要であるが,成人後に妊孕性低下(不妊)の問題に直面する場合がある。
そこで筆者らは,厚生労働科学研究費補助金がん対策推進総合研究事業として,「小児・若年がん長期生存者に対する妊孕性のエビデンスと生殖医療ネットワーク構築に関する研究」班を立ち上げた。小児がん拠点病院を含む多施設の医療者(小児腫瘍,小児内分泌,産婦人科,泌尿器科,生殖医療,腫瘍内科,精神神経科,臨床心理士)によるネットワークを構築し,関連学会とも連携して,小児・若年がん患者の性腺機能と妊孕性・挙児に関する実態調査と,妊孕性温存治療の発展に向けた取り組みを行っている(文献1)。
小児・若年がん患者の診療において,原疾患の治療が最優先であるが,妊孕性温存への配慮も望まれる(文献2,3)。

【文献】


1) Miyoshi Y, et al:Clin Pediatr Endocrinol. 2016;25(2):45-57.
2) Loren AW, et al:J Clin Oncol. 2013;31(19):2500-10.
3) Ethics Committee of American Society for Reproductive Medicine:Fertil Steril. 2013;100(5):1224-31.

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