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心房細動に対する治療ガイドライン改訂:経口抗凝固薬について

No.4697 (2014年05月03日発行) P.57

田中亮太 (順天堂大学脳神経内科准教授)

服部信孝 (順天堂大学脳神経内科教授)

登録日: 2014-05-03

最終更新日: 2016-10-26

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2013年12月に心房細動に対する治療ガイドラインが5年ぶりに改訂された(文献1)。新規経口抗凝固薬(NOAC)を含めた新たな知見をもとに,心房細動に対する標準的な薬物治療が提案され,CHADS2スコアの点数に基づいた経口抗凝固療法が推奨されている。
トロンビン阻害薬ダビガトランに続き,Ⅹa阻害薬リバーロキサバン,アピキサバンが使用可能で,今後エドキサバンが登場する。CHADS2スコア2点以上で,ワルファリンとすべてのNOACが推奨されている。CHADS2スコア1点の低リスク例に対しても,ダビガトランとアピキサバンが推奨され,残りの3剤が考慮可となった。これは第Ⅲ相試験(文献2)でワルファリン群に比較し,虚血性脳卒中の発症率がダビガトラン150mg×2では有意に低く,ダビガトラン110mg×2とアピキサバンではワルファリンと差異がないことによる。
一方,重大な出血はワルファリンに比し,ダビガトラン110mg×2とアピキサバンで有意に少なく,ダビガトラン両群とアピキサバンでは頭蓋内出血が有意に減少していた。リバーロキサバンとエドキサバンは,第Ⅲ相試験にCHADS2スコア1点の症例はエントリーされていないため,考慮可の記載となった。そのほかのリスク因子として心筋症,65~74歳,心筋梗塞や大動脈プラーク,末梢動脈疾患などの血管疾患を有する場合はすべての経口抗凝固薬が考慮可となっている。

【文献】


1) 循環器病の診断と治療に関するガイドライン2012年度合同研究班:心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版). 日本循環器学会, 2014.
2) Dentali F, et al:Circulation. 2012;126(20):2381-91.

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