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抗血栓薬使用者の内視鏡下生検

No.4693 (2014年04月05日発行) P.56

木下芳一 (島根大学第二内科教授)

登録日: 2014-04-05

最終更新日: 2016-10-26

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アスピリン,クロピドグレル,ワルファリン,ダビガトランなどの抗血栓薬を使用している患者は多く,65歳以上の上部消化管内視鏡検査受検例の約15%を占めている。これらの例に抗血栓薬を継続しながらの内視鏡検査は広く行われていたが,病変が発見され生検が必要な場合,抗血栓薬を一時中止して生検を行うことが推奨されていた。このため内視鏡検査が二度手間となるだけではなく,抗血栓薬の中止に伴う脳梗塞などの血栓塞栓症の発症リスクが問題とされてきた。欧米では抗血栓薬内服中でも,生検が出血の原因となるリスクは大きくないため,抗血栓薬を中止せずに生検を行うことが推奨されている。胃癌の内視鏡切除でも,アスピリンであれば内服を中止することなく施行可能であると米国のガイドラインには記載されている。わが国でも,2012年に日本消化器内視鏡学会が中心となって「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」が発表された(文献1)。
本ガイドラインでは,処置に伴う出血のリスクと抗血栓薬中止に伴う血栓塞栓症の発症リスクが評価され,内視鏡下の生検が必要な場合,アスピリンやクロピドグレルであれば内服継続下に施行可能であること,ワルファリンであればPT-INRが治療域にあることを確認後,内服継続下に施行可能であることが記載されている。消化管の内視鏡検査では,生検は日常的に行われる手技であるが,生検のために一律に抗血栓薬を中止することは,血栓塞栓症のリスクを著しく高めることになるため,十分な注意が必要である。

【文献】


1) Fujimoto K, et al:Dig Endosc. 2014;26(1):1-14.

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