【Q】
降圧薬としてβ遮断薬を用いると,副作用として徐脈が現れることがあります。服用中止の見きわめをご教示下さい。 (東京都 F)【A】
従来,β遮断薬は高血圧治療の第一選択薬として重要な役割を果たしてきました。しかし,近年の大規模臨床試験において,β遮断薬は糖尿病惹起作用を有し(文献1),臓器障害・心血管病抑制効果がほかの薬剤に劣る(文献2)とのエビデンスが示されるようになりました。このことをふまえて,『高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)』(文献3)では,高血圧に対する第一選択薬は,Ca拮抗薬,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensinⅡ receptor blocker:ARB),アンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme:ACE)阻害薬,利尿薬の4種類となり,従来第一選択薬の1つに位置づけられていたβ遮断薬は,主として心疾患合併高血圧に対して選択すべき薬剤とされ,第一選択薬からは除外されることになりました。
1) Elliott WJ, et al:Lancet. 2007;369(9557):201-7.
2) Opie LH:J Hypertens. 2008;26(2):161-3.
3) 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会,編:高血圧治療ガイドライン2014. ライフサイエンス出版, 2014, p45-57.