【Q】
インフルエンザ脳症の発症原因の1つとして,ミトコンドリアの長鎖脂肪酸代謝酵素であるcarnitine palmitoyltransferase(CPT)Ⅱの熱不安定性遺伝子多型の関与が報告されています。39℃を超えるような高熱の児に対して積極的に解熱を図ることで,ある程度脳症の発症を予防できると考えてよいでしょうか,ご教示下さい。【A】
インフルエンザ脳症発症機序の全体像はいまだ解明されていませんが,CPTⅡの熱不安定性遺伝子多型は,重要な脳症発症リスク因子であるとともに,増悪因子になっていることが判明しています(文献1,2)。
1) Chen Y, et al:EBS Lett. 2005;579(10):2040-4.
2) Yao D, et al:Hum Mutat. 2008;29(5):718-27.
3) Yamane K, et al:PLoS One. 2014;9(5):e98032.
4) Yao M, et al:Mol Genet Metab. 2011;104(3):265-72.
5) Chida J, et al:PLoS One. 2013;8(4):e60561.