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スタチン製剤の副作用による瘙痒感への対応

No.4750 (2015年05月09日発行) P.59

中谷矩章 (中谷内科クリニック院長)

登録日: 2015-05-09

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

脂質異常症の患者にスタチン製剤を処方したところ,背中の強い掻痒感が続くという訴えがあります。スタチン製剤の副作用と考えてよいでしょうか。対策があればご教示下さい。(神奈川県 Y)


【A】

患者の性別,年齢などが不明ですが,スタチン製剤の副作用によるものと考えてよいと思います。皮膚掻痒の副作用の頻度は,発疹より低く,0.1%未満との報告があります。
本例がスタチン製剤による皮膚掻痒かどうかを正確に判定するには,一度薬剤を中止してみることです。中止により掻痒感が消失し,再投与により再び出現するとすれば,間違いなくスタチン製剤による副作用であると言えます。
薬剤による副作用と確定した場合,原則的には原因となる薬剤を中止することで対応しますが,高コレステロール血症は動脈硬化の重大な危険因子であるため,掻痒感くらいの副作用では止めないほうがよいでしょう。
そこで対策として,本症例のように掻痒感が背中だけという局所的な場合は,ジフェンヒドラミンクリームのような塗布薬で対処すればよいでしょう。掻痒感が全身に及ぶ場合には,抗アレルギー薬(エピナスチン塩酸塩,セチリジン塩酸塩,ロラタジン,フェキソフェナジン塩酸塩など)を投与してみることを勧めます。普通の皮膚掻痒感と同様に,これで軽減あるいは消失する可能性が高いと思います。

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