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おたふくかぜワクチンの接種間隔

No.4721 (2014年10月18日発行) P.66

藤岡雅司 (ふじおか小児科院長)

登録日: 2014-10-18

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

おたふくかぜワクチンは2回接種が推奨されているが,その接種間隔については,ワクチン専門の先生方の間でもいろいろな意見がある。推奨される接種間隔について。 (佐賀県 S)

【A】

おたふくかぜワクチンは弱毒生ワクチンである。ワクチン株ウイルスは接種後の一定期間に体内で増殖し,自然感染に近い免疫応答を起こすことで,その効果を発揮する。したがって,このワクチンは1回接種すれば発症を予防するために必要な免疫は獲得できると考えられる。
しかし,一次性ワクチン不全(primary vaccine failure:PVF)や二次性ワクチン不全(secondary vaccine failure:SVF)のため,発症予防が可能な免疫レベルではなくなると,ワクチン接種後である場合でもウイルス曝露の機会があれば発症してしまう。わが国でのおたふくかぜワクチン接種後罹患の原因としては,SVFが70%,PVFが30%とされている(文献1)。
おたふくかぜワクチン2回接種の目的は,PVFあるいはSVFによるワクチン接種後の罹患を減らし,おたふくかぜの流行を抑制することである。2回接種の接種時期や間隔は,対象者の年齢や2回目接種の目的により異なる。
幼児を対象とする標準的な接種であれば,1回目は1歳早期に接種するとして,2回目接種はSVF防止が主な目的となる。SVF対策と考えれば,免疫レベルの減衰を考慮して11~12歳に接種するのが妥当であるが,高い接種率を維持し集団免疫を図るためには,就学前に接種機会を設定しておくほうが実際的である。
国立感染症研究所感染症疫学センター(文献2)や日本小児科学会(文献3)も,MR1期,2期の時期に合わせて,1回目を1歳早期,2回目を就学前に接種することを推奨している。
一方,学童以上での接種は原則としてキャッチアップ接種であり,PVF対策が主な目的である。2回接種をすれば,PVFの可能性は計算上1.0%程度にまで低下する。この場合は接種間隔を延ばす必要はなく,通常の生ワクチン同士の最短間隔である4週間(中27日間)以上あければよい。国立感染症研究所感染症疫学センター(文献4)も日本小児科学会(文献5)も2回接種の間隔として4週間を推奨している。

【文献】


1) 庵原俊昭:臨とウイルス. 2008;36(4):50-4.
2) 乳幼児予防接種スケジュール.
[http://www.nih.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2014/Lchildren140401.pdf]
3) 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール.
[http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf]
4) 小学生~高校生相当年齢の予防接種スケジュール.
[http://www.nih.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2014/Hschool140401.pdf]
5) 日本小児科学会推奨の予防接種キャッチアップスケジュール.
[http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/catch_up_schedule.pdf]

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