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財源確保に「歳入庁」創設の再検討を [お茶の水だより]

No.4809 (2016年06月25日発行) P.15

登録日: 2016-06-25

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▼本号がお手元に届くころには既に雌雄を決しているかもしれないが、25日に日本医師会会長選が行われる。現職の横倉義武氏の優位は動かないが、対抗馬として立候補した常任理事の石井正三氏の政策には興味深いものがある。石井氏は「財源論がないまま医療政策を話し合っても何も起きない」として、1600兆~1800兆円に上る国民の金融資産の一部を「健康ファンド」化し、その運用益を医療費財源に充当することを提案している。
▼安倍晋三首相は2017年4月に予定されていた消費税率引上げを延期した。再びデフレの影が忍び寄ってきている現状を鑑みると、経済政策としては正しいだろう。しかし、増税分を「社会保障の充実」に充てる前提で進んでいる社会保障・税一体改革の枠組みは、根本から揺らいでいる。
▼こうした状況の中、膨張を続ける医療費の財源確保に向けては“大ナタ”を振るう必要がある。石井氏の提案は、同様の発想で年金財源拡充を目指したGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用成績が芳しくないことを踏まえると、ハードルは高いが、耳を傾ける必要はあるだろう。
▼財源はどこにもないのか。本欄では、民主党政権の政府税制調査会で検討されながら立ち消えになった「歳入庁」創設を改めて提案したい。歳入庁が税と社会保険料の徴収を一体的に行うことで、数兆円規模の保険料の徴収漏れを削減できる。しかし、財務省が力の源泉とも言われる国税庁を手放すことになるため強硬に抵抗したとされる。
▼7月の参議院議員選挙では社会保障政策が大きな争点となる。次号では各党の社会保障に関するマニフェストを紹介する予定だが、医療費財源を巡る政策について、是非比較・検討してほしい。


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