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新型コロナウイルス肺炎患者の在宅死亡[〈今日使える〉死亡診断書・死体検案書の書き方・考え方〜当直・在宅・事故(12)]

No.5288 (2025年08月30日発行) P.26

監修: 久保真一 (福岡大学名誉教授)

執筆: 井濱容子 (横浜市立大学医学部法医学教授)

登録日: 2025-09-01

最終更新日: 2025-08-27

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【症例】

81歳,女性。5日前に発熱があり,近医の発熱外来を受診したところ,PCR検査にて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性と診断された。全身状態は安定しており,本人の希望もあり自宅療養をしていた。同居の娘によると,38℃前後の発熱が続き,2日前から食事が摂れなくなり,昨夜には呼吸状態が悪化してきた。家族内では,「朝になったら病院に行こう」と話していたが,本日午前7時に様子を見に行くと,布団の中で心肺停止の状態であった。直ちに救急車を要請して救急指定病院に搬送された。搬送時,心肺停止で蘇生術にも反応せず,死亡確認となった。搬送時の体温は35℃,死後硬直や死斑は認められなかった。抗原検査でSARS-CoV-2陽性であり,死後CTを施行したところ,左右肺野にびまん性のすりガラス影が認められ,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎として矛盾しないと判断した。

死体には外傷はなく,身体は清潔に保たれている。救急搬送先の医師として,死亡診断書(死体検案書)の交付を求められた。

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