西日本を中心に報告されていた重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が東日本にも広がり、8月に入って北海道でも初の症例が確認されたことから、厚生労働省は注意を呼びかけている。8月12日に発表された感染症発生動向調査の速報値によると、2025年の国内での発生件数は124件に上り、過去最多だった2023年の134件を大きく上回るペースとなっている。
SFTSは、ウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染するマダニ媒介感染症。SFTSを発症したネコやイヌの体液などからの感染、ヒト-ヒト感染の報告もある。
初期症状は発熱、全身倦怠感、消化器症状で、重症化し死亡するケースもある。治療法は対症療法しかないが、SFTSに対する抗ウイルス薬「アビガン」(一般名:ファビピラビル)の使用が2024年6月に承認されている。
国内初のSFTSの症例は2013年1月に確認。近年は発生件数が年間100件を超え(表)、今年に入って東日本の岐阜県、神奈川県、茨城県、秋田県でも報告。8月6日には北海道で1例目の患者(60代・男性)が報告された。
2025年の発生件数は、8月12日に発表された8月3日現在の速報値で124件と過去最多を大きく更新するペースとなっている。
厚労省は全国の自治体や医療関係団体に送付した7日付の事務連絡で「北海道で症例が確認されたことから、今後は西日本に限らず他の地域でも患者が報告される可能性がある。SFTSに感染した場合、重症化することもあることから、発症後速やかに診断する必要がある」と注意喚起。
マダニの活動が活発な時期は春から秋まで続くことから、マダニ忌避剤(ディート、イカリジン)の使用や長袖・長ズボンの着用などによる予防対策の徹底も呼びかけている。