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拘束型心筋症[私の治療]

No.5265 (2025年03月22日発行) P.46

中村一文 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科循環器内科学教授)

角南春樹 (岡山大学病院循環器内科)

登録日: 2025-03-21

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  • 拘束型心筋症(restrictive cardiomyopathy)の基本病態は左室拡張障害であり,特発性心筋症調査研究班の診断の手引きによると,「硬い左室」「左室拡大や肥大の欠如」「正常または正常に近い左室収縮機能」「原因(基礎心疾患)不明」の4項目を示すものと定義されている1)。本症は心室拡張障害によるうっ血と低心拍出を主徴とした心不全に加え,心房細動などの不整脈,血栓塞栓症や突然死を伴う。
    アミロイドーシス,サルコイドーシス,Fabry病,治療関連毒性(放射線,アントラサイクリン系薬剤)でも同様の病態を示すことがあり,二次性拘束型心筋症と呼ばれる。

    ▶診断のポイント

    心室壁のスティフネス上昇による拡張障害の症状・徴候を認める。左房圧上昇に伴う労作時呼吸困難,右房圧上昇に伴う浮腫,心拍出量低下に伴う運動耐容能低下などである。左室収縮や壁厚が正常にもかかわらずうっ血性心不全をきたす患者では本症を疑う。

    診断は,診断の手引きの4項目に合致するかを,心エコー,心臓カテーテル,MRIなどで統合的に判断する。二次性拘束型心筋症の鑑別にはMRI,核医学検査,心内膜心筋生検などを適宜用いる。

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