【質問者】伊藤健太 あいち小児保健医療総合センター総合診療科医長
【小児医療の実情に合った診療報酬の要望は,小児科医のアドボカシー活動のひとつである】
実は,現在の診療報酬制度で必ずしも小児医療が「軽く見積もられている」わけではありません。確かに15歳以上の市中肺炎では,手術なし,副傷病なしで入院期間①が1〜4日間で3183点/日である一方,15歳未満の肺炎は入院期間①が1〜3日間で2310点/日ですが1),小児入院医療管理料を算定していると話が違ってきます。たとえば,DPCに加算する小児入院医療管理料1の点数は,以下のようになっています2)。
〔入院期間14日以内:2740点,15日~30日以内:3045点,31日以上:3252点〕
DPCが成人医療機関のデータをもとに作成されていることへの対応として,小児入院医療管理料は,日数が伸びるほど高くなるのです。この点数を15歳未満の肺炎の点数に加算すると,以下のようになります。
〔入院期間1〜3日:5050点,4〜5日:4630点,6〜14日:4441点,15〜30日:4746点〕
入院期間②で退院させるよりも,15〜30日で退院させるほうが点数が高くなります。小児の肺炎においてはしっかりと治療して,15〜30日で退院させるほうが診療報酬が良いようにできているのです。
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