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新理事長が就任、改革に意欲 - 倫理行動規範を公表、前理事長は辞任 [日本高血圧学会]

No.4722 (2014年10月25日発行) P.5

登録日: 2014-10-25

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【概要】日本高血圧学会は18日、新しい理事長に梅村敏氏(横浜市大循環器・腎臓内科学教授)を選出した。前理事長は研究不正を巡る混乱の責任を取り、任期途中で辞任した。


梅村理事長は8月から、体調不良の堀内正嗣前理事長(愛媛大教授)に代わり理事長代行を務めていたが、9月23日の臨時理事会で、約1カ月の任期を残して堀内氏が辞任。梅村氏が次期理事長に選出され、18日の総会で正式に承認された。
19日に会見した梅村理事長は、前理事長の辞任理由について、降圧薬の臨床研究不正問題や不正研究に基づく広告に学会理事が関わったことに対する内外の批判に対応できなかったことの社会的道義的責任を取ったと説明。辞任に先立ち、7月には理事の半数が、学会の生まれ変わりを求める「意見書」を提出したことや、名誉会員からも学会運営に関して提言があったことも明らかにした。
前理事長に対しては、不正研究に基づく広告に多数登場していたことに批判があり、会員限定で開かれた総会でも謝罪を求める声が上がったが、自身の広告活動の釈明や辞任に至った事態への謝罪はなかった模様だ。なお前理事長は、今後も理事にとどまり、来年の総会大会長の予定も変更はない。会員からは理事と来年の大会長辞任を求める意見があるが、長谷部直幸理事(旭川医大教授)は会見で、「理事長辞任という大きな対応があったので、それ以上は求めないという(学会の)判断」と説明した。
小室一成理事(東大教授)が研究代表を務め、学会誌に掲載されたVART studyに不正が判明した問題への対応については、梅村理事長は「今後検討する」と述べるにとどめた。

●高久日本医学会会長と近く面談
学会運営について梅村理事長は、「変革のポイントは、透明性の確保、患者の立場に立った医療を実現し専門家集団として社会から信頼を得ること、高いレベルの高血圧研究」と指摘。具体的には、倫理行動規範(別掲)を作成し、今後Q&A方式の手引きも作成する。また、5月に学会の委員会が作成した臨床研究不正防止に向けた「提言」の実現や、役員の選考規定見直し、情報発信の迅速化に力を注ぐとした。さらに、近く高久史麿日本医学会会長と面談し、日本医学会の倫理行動規範作成を要望するという。
梅村理事長は、「倫理行動規範は日本高血圧学会が生まれ変わることの意思表示。新たなスタートラインに立ったばかりだが、社会の批判を真摯に受け止め改善していきたい」と改革に意欲を示した。

【記者の眼】17~19日に開催された日本高血圧学会学術集会では、研究不正問題の影響で学会活動が滞っていることへの悔しさや、学会運営への批判を耳にし、多くの会員が危機感を持っている様子が伝わってきた。新理事長の下、負の経験を糧として大きく前進することを期待したい。(N)

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